あなたが栄養サポート加算を逃すと年間数十万円単位の損失になります。
栄養サポートチーム加算は、栄養管理を要する入院患者に対して医師、看護師、薬剤師、管理栄養士などから成る多職種チームが診療することを評価する入院基本料等への上乗せ加算です。週1回の算定で200点とされており、1点10円換算の医療機関では1患者あたり週2,000円の診療報酬増となるため、年間を通じてみると数十万円規模の収益インパクトになります。例えば1病棟で20人の対象患者を継続フォローすれば、1週間で4万円、1年(50週計算)で約200万円相当の加算になるイメージです。つまり栄養サポート加算は「ついで」でつける小さなオプションではなく、病院経営に無視できないレベルのインセンティブだということですね。歯科としては、自院患者が入院する病院の加算構造を理解することで、医科側とWin-Winの関係を築きやすくなります。結論は加算のスケール感を押さえることです。 clinicalsup(https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_1_2_2%2Fa233-2.html)
この加算は、栄養障害の状態にある患者や、栄養管理をしなければ栄養障害となるおそれがある患者を対象に、週1回のNSTによる評価・介入が行われた場合に算定されます。入院日から起算して原則180日以内という期間制限が設けられているため、長期入院患者を多く抱える病棟では、どのタイミングから介入するかの戦略も重要です。この「180日」という数字は、半年弱であることを意識するとイメージしやすく、例えば術後の長期療養患者や嚥下障害を伴う高齢者のケースで、経口摂取の再獲得を図る期間としても現実的なラインと言えます。180日が原則です。 hosp.tohoku.ac(https://www.hosp.tohoku.ac.jp/pc/img/tyuuou/NST_publication33.pdf)
2016年度の診療報酬改定以降、栄養サポートチーム(NST)の回診に歯科医師が参加することで「歯科医師連携加算」が算定可能となり、医科歯科連携に対する評価が明確化されました。北海道内のNST稼働認定施設を対象とした調査では、歯科医師や歯科衛生士のNSTへの関与状況が分析されており、歯科側が積極的に関わることで嚥下機能評価や口腔内環境の改善が栄養状態の改善に直結することが示されています。例えば嚥下機能が低下した患者に対し、歯科医師が義歯調整や口腔機能訓練を行うことで、経口摂取量が増え、栄養状態が安定した症例が複数報告されています。つまり医科のNSTに歯科が入ることは、患者のQOL改善だけでなく病院の加算取得にも貢献する、双方に得のある仕組みということですね。意外ですね。 hodanren.doc-net.or(https://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/190325_sk18_14.html)
こうした連携を進めたい場合の候補としては、既にNST稼働認定を受けている病院や、NSTフォーラムに積極的に参加している医療機関にアプローチし、歯科として関われる範囲を一つずつ確認する方法があります。まずは、在宅や訪問で関わっている患者の入院先病院のNST担当者と情報交換を行い、「口腔ケア・嚥下評価に歯科が入ると栄養管理がどう変わるのか」を具体的な症例ベースで共有すると、連携のきっかけが生まれやすくなります。歯科は連携のきっかけを作る立場です。 files.jspen.or(https://files.jspen.or.jp/2024/01/1754eeb6d576d0f5b0169216d19d3a54.pdf)
研修要件については、日本栄養治療学会が公表しているQ&Aによると、NSTメンバーのメディカルスタッフが「栄養サポートチーム加算」の要件として40時間以上の実地修練を必ずしも受けている必要はないとされています。ただし、NST稼働施設認定や、栄養サポートチーム加算の施設基準における「所定の研修」などの要件を満たすには、一定の研修・教育歴が求められるケースがあり、学会主催のフォーラムや講習会がその一部として位置づけられます。例えば、1日8時間の研修会を5回受講すれば合計40時間となり、週1日の研修を5週間続けるイメージです。研修時間のイメージが大事です。 yakuyomi(https://yakuyomi.jp/career_skillup/skillup/02_169/)
歯科医療従事者としては、「自分がNSTメンバーに入るために必須の研修はどこまでか」「施設としてどの研修をどの職種が受けていれば良いのか」を、病院側の事務・医事部門とすり合わせておくことが重要です。リスクとして、要件を勘違いしたまま加算を算定し続けると、後の監査で返還や指導の対象となる可能性があります。そのため、学会や厚労省の告示・通知を確認し、必要な場合には学会認定の講習会やeラーニングを活用しながら、記録を残しておくことが安全です。研修要件の確認に注意すれば大丈夫です。 clinicalsup(https://clinicalsup.jp/jpoc/shinryou.aspx?file=ika_1_2_2%2Fa233-2.html)
日本栄養治療学会によるNST関連のQ&A(栄養サポートチーム加算算定と研修要件の整理に役立つ資料へのリンクです)
日本栄養治療学会 NST関連Q&A資料
栄養サポートチーム加算(NST加算)は主として入院基本料に対する医科側の評価である一方、歯科医師連携加算は、歯科医師がNST回診などの栄養管理に継続参加することを評価する仕組みとして導入されました。前者が「病院全体としての栄養管理体制」を評価する加算であるのに対し、後者は「歯科の専門性を生かした連携」を明示的に評価する位置づけです。具体的には、栄養サポートチーム等連携加算の枠組みで、歯科医師が一定頻度でNST回診に参加し、嚥下機能の評価や口腔ケアの方針をチーム内で共有することが条件とされています。つまり栄養サポート加算だけでは歯科の貢献が数字に現れにくいということですね。 hodanren.doc-net.or(https://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/190325_sk18_14.html)
このような連携を進める際には、歯科側で「どの頻度で病院に出向けるか」「どのような記録フォーマットでNSTと情報共有するか」を事前に明確にしておくと、加算算定の根拠を残しやすくなります。例えば、週1回のNSTカンファレンスにオンラインで参加し、月1回は現地で義歯調整や口腔評価を行うといったハイブリッドな関わり方も、病院側と合意が取れれば現実的な選択肢です。歯科医師連携の形は一つではありません。 hodanren.doc-net.or(https://hodanren.doc-net.or.jp/news/iryounews/190325_sk18_14.html)
栄養サポートチーム等連携加算と歯科医師連携の位置づけ(歯科の役割と算定構造を解説した記事へのリンクです)
全日本民主医療機関連合会「歯科18年改定のポイント 栄養サポートチーム等連携加算」
独自戦略の一例として、歯科医院側で「栄養・嚥下チェックシート」を作成し、初診時や定期検診時に簡単な質問と観察を行う方法があります。質問項目としては「最近体重が2~3kg以上減ったか」「食事に30分以上かかるか」「むせる回数が増えたか」といった、NSTでも重視されるポイントを盛り込みます。これにより、栄養リスクの高い患者を早期に拾い上げ、医科主治医への情報提供や、必要な場合にはNSTのある病院への紹介につなげることができます。スクリーニングの導入が基本です。 hosp.tohoku.ac(https://www.hosp.tohoku.ac.jp/pc/img/tyuuou/NST_publication33.pdf)
こうした取り組みを行う際には、いきなり「対策はこの機器です」「このサプリです」と商品やサービスを押し出すのではなく、「栄養低下によるフレイルや誤嚥性肺炎のリスクを減らす」という狙いをはっきりさせ、その狙いを達成するための候補として、嚥下機能評価ができる近隣の言語聴覚士・栄養士・NSTのある病院をリストアップしておくと良いでしょう。あなたが取る行動は、「チェックシートでリスクを確認し、必要に応じて主治医に情報共有する」など、1ステップで終わる形に整理しておくと現場に浸透しやすくなります。情報共有だけ覚えておけばOKです。 hosp.tohoku.ac(https://www.hosp.tohoku.ac.jp/pc/img/tyuuou/NST_publication33.pdf)
北海道内NST稼働認定施設における歯科医師・歯科衛生士の関与状況(歯科のNST参画データと連携のヒントを得られる論文へのリンクです)