きざみ食を通販で手配した患者が、肺炎で再入院するケースが報告されています。
患者家族が「嚥下食 通販」で検索したとき、最初に目に入りやすいのは「きざみ食」です。見た目が普通の食事に近く、価格も比較的安いため、選ばれやすい食形態ですが、これは大きな落とし穴です。
わが国では長年「きざみ食=高齢者向けの食事」という認識が定着していました。しかし研究が進むにつれ、きざみ食は咀嚼補完の食形態であり、嚥下機能が低下した患者には不適切であるという認識が広まっています。 食材を細かく刻むことで、口腔内でバラバラになり、飲み込みのタイミングがコントロールできず、かえって誤嚥しやすくなるのです。 engesyoku(https://www.engesyoku.com/kiso/kiso04.html)
つまり「きざみ食=嚥下食」は間違いです。
歯科衛生士が訪問先や外来で指導する際には、患者・家族が通販で購入した食品がきざみ食でないかを確認することが、最初のチェックポイントになります。 誤嚥性肺炎の予防という観点からも、この一点を伝えるだけで大きなリスク回避につながります。 b-style-msc(https://www.b-style-msc.com/blog/?p=1993)
| 食形態 | 目的 | 嚥下障害への適否 | 通販での入手 |
|---|---|---|---|
| きざみ食 | 咀嚼補完 | ❌ 不適(バラけて誤嚥リスク) | 多く流通している |
| ソフト食 | 咀嚼・嚥下両対応 | ⭕ 条件付きで適 | 専門通販で入手可 |
| 嚥下調整食(コード0〜4) | 嚥下機能別に段階対応 | ⭕ 適切な段階の選択が前提 | 「あいーと」など専門店あり |
| ゼリー食 | 重度の嚥下障害 | ⭕ 重度者に適 | 通販での取扱いあり |
通販サイトで嚥下食を探すと、「UDF区分1〜4」「嚥下調整食コード0〜4」「特別用途食品」など複数の分類表示に出会います。これが混乱の原因になることが多く、患者家族が自力で正しい商品を選ぶのは難しい状況です。
UDF(ユニバーサルデザインフード)は日本介護食品協議会が制定した規格で、「かたさ」「粘度」によって区分1〜4に分類されます。 一方、日本摂食嚥下リハビリテーション学会が策定した「嚥下調整食分類2021」はコード0〜4の段階別で、より医療現場に即した基準です。 これらは完全に一致するわけではありませんが、UDFの区分3・4はおおむね学会分類のコード2〜3前後に対応するなど、参照の目安があります。 udf(https://www.udf.jp/outline/udf.html)
分類の違いを理解することが条件です。
歯科従事者として患者指導を行う際は、この2つの分類を簡単な一覧表にまとめて渡すだけで、家族の通販購入ミスを大幅に減らせます。実際、在宅訪問や外来でこうした「食形態の物差し」を携帯している歯科衛生士・歯科医師も増えています。 b-style-msc(https://www.b-style-msc.com/blog/?p=1993)
以下が指導時に使える対応早見表です。
| 患者の状態目安 | UDF区分 | 学会分類コード | 通販での目安 |
|---|---|---|---|
| 少しかみにくい | 区分1 | コード4(普通食) | やわらか食全般 |
| かみにくい | 区分2 | コード4(下限) | ソフト食・煮込みおかず |
| かまなくてよい | 区分3 | コード3前後 | 「あいーと」「まごころケア食」 |
| 飲み込みにくい | 区分4 | コード0〜2 | ゼリー食・ムース食 |
参考リンク(学会分類と食形態の分類について詳しく解説しています)。
学会分類以外の食形態の分類について|森永乳業クリニコ
通販で嚥下食を購入する際、単に「やわらかい」という謳い文句だけでは安全性の判断ができません。患者家族への指導で紹介するサービスを選ぶには、いくつかの確認ポイントがあります。
まず注目すべきは、医師・管理栄養士の監修があるかどうかです。これが安全性の最低ラインと考えてよいでしょう。 次に、食形態の分類(UDFや学会分類のコード番号)が商品ページに明記されているかを確認します。「やわらか」「食べやすい」という感覚表現だけで分類コードが書かれていない商品は、歯科指導での推奨には適しません。 store.shopping.yahoo.co(https://store.shopping.yahoo.co.jp/shokutakunomeii/bo-07ge.html)
信頼できるサービスが前提です。
以下は現時点で歯科医療従事者が指導先として紹介しやすいとされている通販サービスの例です。
ieat-onlineshop(https://www.ieat-onlineshop.jp)
zaitaku-st(https://zaitaku-st.com/meal/yawaraka-rank/)
shopping.yahoo.co(https://shopping.yahoo.co.jp/ranking/keyword/?p=%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E9%A3%9F)
kofukuzen(https://www.kofukuzen.com)
参考リンク(専門家が嚥下食・やわらか食の宅配サービスを実食比較しています)。
【専門家が選ぶ】宅配やわらか食ランキング!人気のメーカーは|在宅ST.com
嚥下食の通販活用は、患者本人だけでなく、在宅介護を担う家族にとっても現実的な選択肢です。しかし指導なしに任せると、前述のきざみ食問題や分類誤認が起きやすい状況があります。歯科従事者がどのタイミングで何を伝えるかを整理しておくことが重要です。
外来での指導では、まず患者の嚥下・咀嚼機能評価をベースに「現在の食形態コード」を伝えることから始めます。 次に、その段階に対応したUDF区分を示し、通販で探す際の検索キーワードを具体的に教える。このステップがあると、家族が自力で正しい商品を選びやすくなります。 ortc(https://ortc.jp/movie/visitingdentistry/swallowing-dysfunction-nutritional-support15)
これが指導の基本です。
訪問診療では、実際に購入されている食品を持参・確認してもらう機会を作るのが効果的です。岩手県栄養士会の在宅栄養ケアガイドラインでも、宅配サービス・通信販売の活用が在宅栄養支援の一手段として明示されています。 歯科衛生士が管理栄養士・STと連携して情報共有することで、指導の精度が格段に上がります。 iwate-eiyoshikai.or(https://www.iwate-eiyoshikai.or.jp/files/libs/883/202301041640464759.pdf)
指導フロー例。
摂食嚥下リハビリテーションにおける歯科の役割は、口腔機能の維持・改善にとどまりません。在宅患者が実際に安全な食事を毎日続けられるかどうかは、「何を食べているか」に直結します。その点で、通販嚥下食の活用支援は歯科従事者にとって見逃せない領域です。
高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上に関する厚生労働省の調査報告でも、地域健康課の歯科衛生士が摂食嚥下障害の原因となる生活習慣への助言を担うことが示されています。 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックのように、クリニック内に嚥下食を実際に手に取って選べるショップを設置している施設も存在します。 この取り組みは、通販選択の「体験の場」を提供するという意味で非常に先進的です。 healthynetwork.co(https://www.healthynetwork.co.jp/shop/)
意外な取り組みですね。
普通食と見た目が変わらない嚥下食は、患者のQOL向上に直接影響します。食べることの楽しさを守りながら安全性を確保するという視点は、歯科が持つ強みです。 嚥下食の通販活用を正しく支援できる歯科従事者の存在は、患者とその家族にとって非常に心強いサポートになります。 doctorsfile(https://doctorsfile.jp/h/192924/mt/2/)
参考リンク(歯科での摂食嚥下障害の相談と役割について詳しく述べられています)。
食べることを諦めないでほしい 食事での問題は、歯科に相談を|ドクターズ・ファイル
参考リンク(在宅での嚥下調整食と栄養ケアの実践ガイドです)。
嚥下調整食 在宅栄養ケア|岩手県栄養士会(PDF)