LVLを「ただの合板の一種」と思っているなら、リフォームで数十万円の選択ミスをするかもしれません。

LVLとは、丸太を2〜5mmの薄さに剥いた単板(ベニヤ)を、木の繊維方向が同じ向きになるように何層も重ねて接着剤で固めた木質建材です。 英語の「Laminated Veneer Lumber(ラミネイティド・ベニヤ・ランバー)」の頭文字を取ってLVLと呼ばれており、日本農林規格(JAS)では「単板積層材」という正式名称で定められています。
製造工程では、ロータリーレースやスライサーと呼ばれる機械を使って丸太を桂むき状に薄く削り出します。 その後、含水率が8〜14%になるまで徹底的に乾燥させてから接着・圧着するため、生木に含まれる水分が排除された状態で仕上がります。 生木の含水率が60〜100%であることを考えると、LVLの水分管理がいかに徹底されているかがわかります。
参考)https://konpou-hako.jp/knowhow_packaging/lvl%E3%81%A8%E3%81%AF/
乾燥が徹底されているということですね。
これにより、通常の木材で起きやすいねじれや反りの主な原因である水分変動が大幅に抑えられます。 節などの欠点部分もあらかじめ除去して使うため、品質のばらつきが少なく、均一な強度が安定して得られるのも大きな特長です。
参考)LVL(単材積層材)|構造用集成材販売のK&Kコヤマ株式会社
LVL協会「LVLとは」|製造方法・特長・歴史を網羅した公式解説ページ(LVLの基礎知識を確認したい場合の参考として)
LVLは合板とよく似た見た目をしていますが、その構造は全く違います。つまり用途も異なります。
最大の違いは、単板を積層する際の「繊維の向き」です。 合板は各層の繊維方向を直交させて交互に重ねますが、LVLはすべての単板を繊維方向が平行になるよう積み重ねます。 この違いが強度特性に大きな差を生み出します。
参考)LVLとは?建材の特徴や合板・集成材との違い、メリット・デメ…
| 特徴 | LVL(単板積層材) | 合板 | 集成材 |
|---|---|---|---|
| 繊維の向き | 全層が平行 | 各層を直交 | ひき板を平行積層 |
| 主な用途 | 柱・梁・構造材 | 床・壁・家具の面材 | 柱・梁・階段材 |
| 曲げ強度 | 素材の3〜5倍 | やや低め | 高い |
| 寸法安定性 | 非常に高い | 中程度 | 高い |
| 価格の目安 | 中〜高め | 低め | 中程度 |
集成材はひき板(鋸で切った板)を積層しますが、LVLは薄い単板(剥いた板)を積層する点で製法が異なります。 合板は広い面の強度に優れ、LVLは軸方向(縦方向)の曲げや圧縮に強いという特性の違いがあります。 リフォームで「どの木材を選ぶべきか?」と悩んだとき、この違いを知っているだけで選択の精度が変わります。
「LVLとは?建材の特徴や合板・集成材との違い」|合板・集成材・CLTとの違いを整理した解説記事(建材選びで比較検討する際の参考として)
LVLの強度は、JAS(日本農林規格)によって「曲げヤング係数等級」で細かく分類されています。 例えば最高等級の「180E-675F(特級)」では、曲げ基準強度が52.8 N/mm²に達します。 N/mm²という単位はイメージしにくいですが、1cm²あたり約540kgの力に耐えられる強さと考えると、柱や梁に使うのに十分な数値です。
参考)https://exstructure.main.jp/mokuzou/LVL.html
これは使えそうです。
JASの規格では、「造作用単板積層材」と「構造用単板積層材」の2種類に分けられており、用途に応じて求められる強度基準が異なります。 構造用は柱や梁のような荷重を受ける部位に、造作用は家具の枠材やドア・窓枠などに使われます。
また、LVLが実用化されてから現在まで約70年が経過していますが、構造上の重大な問題が発生した事例が確認されていません。 そのため業界内では「70年は確実に保つ木質建材」とも言われています。 70年保つということは、現在40代でリフォームをしても、老後まで安心して使い続けられる耐久性があるということです。
参考)LVLとは?中大規模建築物に使用される単板積層材の特徴を解説…
「LVLの基準強度」|JAS規格に基づくLVLの等級別強度一覧表(構造計算の参考資料として)
リフォームの現場でLVLが選ばれる最大の理由は、「寸法の安定性」と「施工後のトラブルの少なさ」にあります。 無垢材は湿気や乾燥によって季節ごとに伸縮しやすく、リフォーム後に床鳴りやドアの建て付けが悪くなるといった不具合が起きることがあります。 LVLはその点、含水率が厳密に管理された状態で製造されるため、施工後の狂いが非常に少ないのです。
施工後の安定性が条件です。
具体的には次のような場所でLVLがよく使われています。
リフォームでは「見えない部分」に使われる木材ほど重要で、施工後に手を加えにくい箇所だからこそ、安定した建材を選ぶことが後悔しない選択につながります。 防腐・防蟻・防虫の薬剤処理も施しやすい構造のため、湿気の多い場所や床下への活用にも向いています。
LVLのコストを「合板より高い木材」と一括りにしてしまうと、実はリフォーム費用を高くしている可能性があります。 価格だけで選んでいると損です。
ホームセンターで販売されている一般的なLVL材(ポプラLVL、約27×40×2700mm)は268円から購入でき、小口での調達なら決して高価な材料ではありません。 一方、構造用の大断面LVL材(幅600mm・長さ6100mmクラス)になると価格は大きく変わり、建材メーカー経由での調達が一般的です。
参考)https://www.komeri.com/shop/c/c233208/
リフォームにおけるLVLのコスト優位性は「施工後の維持費」に現れます。 反りや割れが起きにくいため、施工後5〜10年以内に再補修が必要になるケースが、無垢材と比べて少ない傾向があります。 初期費用だけで判断せず、10年単位で考えることが大切です。
参考)LVLってどんな木材なの?|山形で木造住宅ならササキハウス
また、輸出用梱包材としても使われるLVLには「燻蒸処理不要」の製品があり、通関手続きのコストを削減できるという側面もあります。 リフォーム材料として使う際には直接関係しませんが、LVLが「国際的に信頼されている建材」であることの根拠にもなっています。
参考)http://www.konpo.net/4/lvl.html
コーナン・コメリなどのホームセンターのオンラインショップでもLVL材のサイズ別価格を簡単に確認できますので、業者との見積もり前に相場を把握しておくと交渉の材料になります。
参考)LVL材/建築木材
「木質建材LVLとLVSとは|種類・用途・強度とメリット・デメリット」|LVLの価格帯・用途・メリットとデメリットを包括的に解説(建材選定の参考として)
「木造・木質の基礎知識AtoZ【L】LVL」|LVLの製法・JAS規格・用途を分かりやすく解説した木の情報発信サイトの記事(LVLの基礎をさらに深掘りしたい場合の参考として)