NBRを屋外の水道まわりに使うと、1年未満でひび割れして水漏れします。
NBR(Nitrile Butadiene Rubber)とは、アクリロニトリルとブタジエンを乳化重合して作られた合成ゴムのことです。 日本語では「ニトリルゴム」または「アクリロニトリルブタジエンゴム」と呼ばれます。 1930年代にドイツで工業化されて以来、耐油性に最大の特徴を持つゴムとして長年使われ続けています。
参考)https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/marketplace/50403/
NBRの最大の特徴は、耐油性の高さです。分子鎖にシアノ基(ニトリル基)を持つため、鉱物油・植物油・動物油・液体燃料などに触れても弾力や柔軟性を失いにくいという特性があります。 天然ゴム(NR)やクロロプレンゴム(CR)と比較して、油への耐性は大幅に優れています。
参考)ゴム助 / ゴムの特性
つまり「油に強いゴム=NBR」が基本です。
リフォームの現場でNBRが登場するのは、主に以下のような部位です。
NBRはオゾン・紫外線・熱湯には弱いという側面も持ちます。 これを知らずに選ぶと、思わぬ水漏れや素材劣化を招くため、素材の基本を押さえることが重要です。
NBRの使用可能な温度範囲は、一般的に-30℃〜100℃程度とされています。 配合剤やグレードによっては耐熱120℃まで対応する製品もありますが、連続使用の耐熱安全温度は80〜90℃が目安です。
参考)ニトリルゴム(NBR)の成分・耐熱性・特性物性を徹底解説|失…
これが問題になるのが「給湯管まわりのパッキン交換」です。給湯管は60〜80℃の温水が常時流れており、瞬間的には90℃を超えることもあります。NBRを給湯管に使うと、温度限界付近で繰り返し熱を受け、わずか数ヶ月で硬化・ひび割れが起きるリスクがあります。
参考)【パッキンの話】意外と知らないパッキンの使い分けEPDM・N…
厳しいところですね。
| ゴム種類 | 耐熱安全温度 | 耐寒温度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| NBR(ニトリルゴム) | 80〜90℃ | -20〜-30℃ | 給水管パッキン・油圧ホース |
| EPDM(エチレンプロピレン) | 130℃ | -60℃ | 給湯管・屋外水道配管 |
| シリコーンゴム(Q) | 180℃ | -120℃ | 高温配管・食品機器 |
| フッ素ゴム(FKM) | 200〜260℃ | -50℃ | 高温・高圧・薬品環境 |
参考)「ゴムの使用温度って?」
「給水管ならNBR、給湯管ならEPDM」が原則です。
DIYでパッキン交換をするとき、袋の表示だけで選ぶと材質を間違えがちです。購入前に配管が「給水(冷水)用か給湯(温水)用か」を確認してから素材を選びましょう。ホームセンターでは両者が並んで売られていますが、見た目の色や形で判断するのは危険です。
NBRを屋外で使うのはダメ、というのはプロの常識です。
NBRはその分子構造上、主鎖に不飽和二重結合を多数持ちます。 大気中のオゾンはこの二重結合に化学的に作用し、ゴム表面に無数の亀裂(クラック)を生じさせます。 特に引張応力(ゴムが引き伸ばされた状態)がかかっている部位ほど、オゾン劣化は急速に進みます。
参考)ゴムのオゾン試験 オゾン劣化の原因と耐オゾン性のあるゴムとは…
屋外に設置した外水道の蛇口パッキン、雨ざらしになる給湯器まわりのホース接続部、ベランダの散水栓など——これらにNBRを使うのは、劣化リスクが高い選択です。 JIS K 6259の耐オゾン試験では、ニトリルゴムは耐オゾン性のない材料として分類されています。
耐オゾン性がないゴムの代表例が以下です。
逆に屋外・オゾン環境に強いゴムはこちらです。
屋外用途にはEPDMが条件です。
リフォームで外部水道配管のパッキンを交換する場合、必ず「EPDM素材」と表示された製品を選んでください。パッケージに「耐候性」「耐オゾン」と書かれているかを確認する習慣をつけると、選び間違いを防げます。
参考:EPDM・NBR・ノンアスパッキンの使い分けについて現場目線で解説した動画コンテンツ
【パッキンの話】意外と知らないパッキンの使い分けEPDM・NBR・ノンアスの正解とは?(YouTube)
「NBRとEPDMって何が違うの?」と疑問に思う方は多いです。
結論から言うと、NBR=油に強い/EPDMは水・熱・屋外に強いという対比で覚えるとわかりやすいです。 リフォームの水回りでよく使うパッキンは「給水管用」「給湯管用」「屋外用」に大別でき、それぞれ最適な素材が違います。
| 比較項目 | NBR(ニトリルゴム) | EPDM(エチレンプロピレン) |
|---|---|---|
| 耐油性 | ◎ 非常に優れる | △ 劣る |
| 耐熱性(安全温度) | 80〜90℃ | 130℃ |
| 耐候性・耐オゾン | ✕ 弱い | ◎ 非常に優れる |
| 耐寒性 | -20〜-30℃ | -60℃ |
| 主な用途(リフォーム) | 給水管・燃料配管 | 給湯管・屋外配管・散水 |
「給水はNBR・給湯はEPDM」だけ覚えておけばOKです。
ただし、灯油ストーブや給油設備まわりのホース・パッキンには引き続きNBRが適切です。 EPDMは油に弱いため、燃料系配管にEPDMを使うと逆に膨潤・劣化が起きます。用途が「水系統」か「油系統」かを最初に判断するのが選び方の出発点です。
参考)NBRについて
参考:NBRの特性・物性データと他素材との比較
主要ゴム特性一覧(packing.co.jp)
NBRはOリングやパッキン以外にも、リフォームDIYで活躍する場面があります。意外ですね。
たとえば、キッチンのガスコンロ接続部分に使われるフレキシブルホースのジョイント部分には、NBR系のOリングが使われていることが多いです。 油・ガスに対する耐性が高く、かつ適度な柔軟性を保つため、ガス管接続のシール材として現役で使われています。ただし、ガス関連の配管は資格が必要な作業領域であるため、パッキン交換も含め自己判断でのDIYは推奨されていません。
これは使えそうです。
アクリロニトリル含有量(AN含有量)によってNBRの性質は変化します。 AN含有量が高いほど耐油性・耐熱性は上がりますが、低温での柔軟性が落ちます。市販品のパッキンに含有量は記載されていないことが多いため、用途が特殊な場合は製品メーカーのデータシートを確認するのが確実です。
参考:NBRの物性表・アクリロニトリル含有量ごとの特性変化
参考:ニトリルゴムの成分・耐熱性・特性を詳しく解説した技術記事
ニトリルゴム(NBR)の成分・耐熱性・特性物性を徹底解説(gomu-tech.com)
| 種類 | 主成分 | 耐熱温度 | 特徴 | コスト |
|---|---|---|---|---|
| 2元系FKM | VDF+HFP | 200〜250℃ | 汎用的・市場シェア70%超 | 中程度 |
| 3元系FKM | VDF+HFP+TFE | 200〜250℃ | 耐薬品性がさらに高い | やや高め |
| FFKM | 完全フッ素化 | 300℃近く | ほぼ全薬品に耐える | 非常に高価 |
![]()
Wバス用ゴム栓 (491-136) カクダイ 4972353491445 バスメーカー JIS規格 浴槽内排水金具 NBR くさり付 仕様 サイズ パッケージ 材質