天井裏にオレンジ色のcd管を使うと、火災時に燃え続けて建築基準法違反になります。

cd管とは、合成樹脂製の可とう(曲げられる)電線管の一種で、主にコンクリートの内部に埋め込んで使う「電線・ケーブルの通り道」のことです。 正式名称は「合成樹脂製可とう電線管(CD)」で、CDは「Corrugated Duct(波付ダクト)」または「Concrete Duct(コンクリートダクト)」の略とも呼ばれます。
参考)CD管とは?現場で失敗しない選び方・使い方・サイズ早見表【現…
外観はオレンジ色の蛇腹(ジャバラ)状で、鉄筋に結束してからコンクリートを打つ工法が基本です。 これにより、建物が完成した後でも電線の交換や追加が管の中を通じて行えます。
建築現場でよく登場する電線管の種類を整理すると、以下のとおりです。
つまり、「コンクリートの中ならcd管、それ以外はPF管か金属管」が基本の考え方です。
cd管は価格が比較的安く、可とう性が高いため施工しやすい点がメリットです。 リフォームや新築計画でよく見かける「オレンジのホース状の管」がこれにあたります。
参考)CD管とPF管について – 株式会社東恩納組
cd管は「自己消火性がない」という特性を持ちます。 これは、火をつけると燃え続けるということで、不燃材料ではありません。
コンクリートの中に埋まっていれば火にさらされませんが、露出したり天井裏に配管したりすると火災時に危険です。 これが厳しいところです。
参考)CD管のメリットとデメリット|電気設備基準に基づく適切な施工…
電気設備技術基準 第158条では、cd管の施設方法について以下の条件が定められています。
これ以外の施工方法でcd管に絶縁電線(IV線など)を通した場合、電気設備技術基準の違反となります。 多くのデベロッパーもこの観点から、天井裏でのcd管使用を社内規定で禁止しているのが実情です。
ただし、VVFケーブルなどのケーブル工事の「保護管」としての用途であれば、天井裏でのcd管使用も一定の範囲で認められる場合があります。 ケーブル工事と絶縁電線工事では扱いが異なるため、この点は注意が必要です。
リフォームで配線を追加する際、既存のオレンジ色の管を「露出でそのまま延長する」工事は法規違反につながるリスクがあります。延長や追加はPF管への切り替えが原則です。
参考:電気設備技術基準 合成樹脂管工事の詳細(第158条)について
▶ electric-facilities.jp「CD管」解説ページ(法規条項の原文記載あり)
cd管とPF管は見た目が似ているため、現場で取り違えるトラブルが後を絶ちません。 意外ですね。両者の違いを表でまとめます。
| 項目 | cd管 | PF管 |
|---|---|---|
| 色 | オレンジ | グレー・黒・アイボリーなど |
| 自己消火性 | なし | あり(難燃) |
| 耐候性 | なし | あり |
| 主な用途 | コンクリート埋設専用 | 天井裏・露出・埋設すべてに対応 |
| 価格 | 安価 | やや高め |
cd管はPF管より安価で施工しやすいですが、使用できる場所が限定されます。 PF管は難燃性と耐候性を備えているため、コンクリート埋設以外の場所にも使えます。
リフォーム工事でよくある失敗は「天井裏の配管を増設する際に、コスト削減目的でcd管を選んでしまう」ケースです。 気をつけたいところです。
既存のcd管が天井裏に確認できた場合は、「ケーブル保護管として施工されたのか、それとも法規違反の施工なのか」を電気工事士に確認するのが安全です。PF管への全面的な切り替えを推奨する業者が多くなっています。
参考:パナソニックによるcd管・PF管の詳しい解説
▶ Panasonic DENZAI TERASU「合成樹脂製可とう電線管」の解説(メーカー公式)
cd管のサイズは「呼び径」で表し、主に16・22・28・36・42の5種類が流通しています。 数字が大きいほど管の内径が大きくなります。
各サイズの使い分け目安は以下のとおりです。
コツは管断面積に対してケーブル占有率を「3〜5割」に収めることです。 例えば呼び16の管にケーブルを詰め込みすぎると、将来のLAN追加や電線交換ができなくなります。
これは使えそうです。リフォームで電源やLANを後から追加したい場合、管内に空きスペースを残しておくことが最大の時短投資になります。
また、曲がりが多い経路(コーナーや壁の折れ部分)では1サイズ上げるのが定石です。 曲げ半径は管外径の4〜6倍を確保しないと、後の通線作業が困難になります。
cd管に収容できる電線の種類としては以下が代表的です。
VVFケーブルとLANケーブルを同じ管に収める場合は、電磁干渉の影響に注意しましょう。 通信品質を重視する場合は電力線と分けて別管にすることを推奨する業者が多いです。
リフォームでcd管が活きる場面は「新築時に予備管として余分に埋設しておく」場合です。 後から「リビングにもう1か所コンセントが欲しい」となったとき、予備管があれば壁を壊さず配線の追加ができます。
予備管がない場合は壁の一部を壊して新たに開口するか、露出配管(モールで覆う方法)しか選択肢がなくなります。壁解体の費用は箇所によって数万円単位になるため、損失は大きいです。
施工時に覚えておきたい主なポイントは以下のとおりです。
通線作業でのコツは「上から下」より「下から上」に通線器を送る方がスムーズになるケースが多いこと、そしてケーブル先端をテープでテーパー形状に養生することです。 細かい話ですが、この一手間で作業時間が大幅に短縮できます。
リフォームで電気工事を依頼する際は、「将来の電源・LAN追加のために予備管を埋設できますか?」と一言確認するだけで、10〜20年後の工事コストが変わる可能性があります。
参考:未来工業「ミラフレキ」シリーズなど、現場で多用されるcd管・PF管関連部材の詳細情報
▶ 未来工業 公式サイト(可とう管・配管部材の仕様・選定参考)