「長押(なげし)」は、和室で外すだけの飾りだと思っていませんか。実は撤去すると壁に無数のビス跡が残り、補修費が数万円単位で膨らむことがあります。

長押(なげし)とは、日本建築において柱同士を水平方向につなぐために取り付けられる部材のことです。柱の外側から打ち付けられ、和室の壁をぐるりと囲むように設置されるのが一般的です。デジタル大辞泉でも「柱から柱へと水平に打ち付けた材」と定義されており、由緒ある建築用語であることがわかります。
もともとは柱を連結して建物を補強する構造材としての役割を持っていました。ところが「貫(ぬき)」という別の構造材が普及したことで、長押は次第に装飾的な意味合いへと変化していきました。
参考)長押とは?
つまり「今ある長押は昔ながらの飾り」ということですね。
古代の寺院建築では部材も厚く、構造的な意味合いが強かったため、当初は上級層の住宅にのみ用いられていました。それが中世になると庶民の住宅にも広がり、現在私たちが目にする和室の姿につながっています。読み方を「ながおし」と誤って覚えている方も多いですが、正しくは「なげし」です。
参考)https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=00309&wdid=01wid=00309href="https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=00309&wdid=01">https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=00309&wdid=01wdid=01" target="_blank" rel="noopener">【東建コーポレーション】長押|建築用語辞書
長押は取り付ける位置によって呼び名が変わり、地長押・腰長押・内法長押・蟻壁長押・天井長押などに分類されます。現在「長押」といえば、鴨居のすぐ上に取り付けられる「内法長押(うちのりなげし)」を指すことがほとんどです。
幅にも決まりがあり、柱の太さの8~9割の幅を持つものを「本長押」、6~7割のものを「半長押」と呼びます。柱の太さが10cm程度だとすると、本長押は8~9cmほど、はがきの縦幅とほぼ同じくらいのイメージです。
種類による違いを知っておくと選びやすくなります。
リフォームで長押を新設する場合、どの位置にどの幅で取り付けるかで部屋の印象が大きく変わります。天井近くに設置する天井長押は空間を引き締める効果があり、内法長押は昔ながらの和室らしさを残したい場合に選ばれる傾向があります。
長押は元々の構造材としての役割を終えた後も、実用的な収納スペースとして活用されてきました。「天井から少し下の出っ張った箇所にハンガーなどをかけられる場所」とイメージすると分かりやすいでしょう。
参考)長押(なげし)とは?どのようなものかをご紹介【建築用語集】
これは使えそうです。
長押はDIYでの製作も不可能ではなく、専用の道具と設計図を用意すれば取り付け作業自体は難しくありません。ただし柱の位置や壁の下地を正確に把握していないと、仕上がりにゆがみが出やすい点には注意が必要です。
参考)建築大工用語「長押」を全部教えて! - 株式会社 宮下は神戸…
リフォームで和室を洋室化する際、長押を「不要な出っ張り」として撤去するケースは少なくありません。しかし長押は柱に沿ってビスや釘で固定されているため、撤去すると壁面に多数の穴やビス跡が残ります。
厳しいところですね。
現在の長押はほとんどが装飾材であり、撤去しても建物の強度に直接影響しないケースが大半です。ただし築年数の古い住宅では、貫が十分に機能しておらず長押が補助的な補強の役割を担っている場合もあるため、自己判断での撤去は避けたほうが安心です。
撤去後の壁の補修範囲を見誤ると、想定より高い追加費用につながることがあります。事前にリフォーム会社へ壁の下地確認を依頼し、補修範囲を見積書に明記してもらう、という一手間が損を防ぐポイントです。
一般的な記事では長押を「古い和室の名残」として扱いがちですが、実は現代の洋室デザインに部分的に取り入れる事例も増えています。長押のラインを窓枠や間接照明の設置基準線として利用すると、空間全体の水平ラインが整い、部屋が広く見える効果が期待できます。
意外ですね。
和室を完全に撤去せず、内法長押の高さだけを残して腰壁風にリノベーションする手法も一部の設計事務所で採用されています。伝統的な部材を現代の間取りに調和させたい場合は、こうした「部分残し」の発想を設計士に相談してみるとよいでしょう。
参考)建築士を目指す人向け!「切目長押」を解説! - 株式会社 宮…
長押の構造や取り付け位置ごとの名称を写真付きで解説している建材メーカーの用語集です。
長押の歴史的背景と読み方の誤りやすいポイントを詳しく整理したリノベ用語解説です。
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