ツルツルの壁ほどタイルが剥がれやすい

目荒らし(めあらし)とは、建築工事においてコンクリートや塗装面の表面をわざと粗くする下地処理のことです。この作業は「足付け」とも呼ばれ、ツルツルした表面に細かい傷をつけてザラザラにします。
参考)https://www.horioka-bisouten.com/glossary/ma/mearashi.html
塗装工事では4種ケレンに分類される作業で、塗料と下地の密着性を向上させる目的で行われます。コンクリート施工では、モルタルやタイルとの馴染みを良くするために表面を粗く加工します。
目荒らしは塗装やタイル張りの耐久性に直結する重要な工程です。この下地処理を省略すると、施工後の品質不良につながる可能性が高まります。
参考)https://media.suke-dachi.jp/glossary/general/chipping-2/
外壁塗装の前には必ず目荒らしが必要です。平らな表面に直接塗料を塗ると、塗料が流れやすく乾燥後も剥がれやすいというリスクがあります。
参考)外壁塗装前に行う「目荒らし」とは?重要性や施工方法を徹底解説…
コンクリートの表面にタイルを張る直貼り工法でも目荒らしは不可欠です。建築工事標準仕様書JASS19では、タイル張り下地としてコンクリート表面の清掃および目荒らしを確実に実施することを推奨しています。
参考)外壁洗浄目荒し
防水工事においても目荒らしは重要な役割を果たします。FRP防水層の貼り直しでは、電動グラインダーなどを使って既存の防水層全体に目荒らしを施してから上塗りの準備をします。
参考)FRP防水のメンテナンス法とメリット・デメリットについて |…
目荒らしを適切に行わないと、ビルからモルタル塊や外壁タイルが落下する危険性があります。外壁タイルの剥離・剥落は過去に死亡災害となった事例もあり、非常に危険です。
正常な施工であれば、タイルの浮きや剥離は年0.2%程度にとどまります。しかし施工不良があると、12年目の大規模修繕工事時に8%や10%以上の異常な剥離率となる可能性があります。
参考)正常な施工であればタイルの浮きや剥離は、0.2%/年の指標が…
つまり、新築から12年経過時に2.4%程度なら正常ですが、それを大きく上回る場合は目荒らし不足などの施工不良が原因と考えられます。塗装面においても、目荒らしを省略すると塗膜が剥がれやすくなり、施工不良の原因になります。
参考)外壁塗装における目荒らしとは?メリットとデメリットも併せてご…
目荒らしには高圧水を使って表面を荒らす方法が一般的です。超高圧洗浄機の水圧で傷をつけることで粗面化し、モルタルとの接着力を高めます。50MPa温水高圧洗浄工法と、150MPa超高圧洗浄工法の2種類があります。
参考)コンクリート目荒し
塗装工事では研磨剤を使用して表面に微細な傷をつける方法も採用されます。住宅の塗り替えには240番(中目)の研磨剤が推奨されており、目荒らし作業が適切に行われているかを目で見て確認できます。
参考)下処理と目荒らし:塗装の持続性を高める重要ステップ - 香川…
ただし、国土交通省はサンダーや電気ピックを使ってコンクリート表面を傷つける方法を推奨していません。目荒らし面積は全体の30%、深さ5mm程度で十分なせん断力に対する耐力効果が発揮されます。
参考)https://tokyobousui.com/?p=5698
施工手順として重要なのは、目荒らし施工後かつ下地モルタルによる下地調整後、原則14日以上の放置が必要という点です。この期間を守らず数日で次工程に進む現場も見かけますが、適切な接着力を得るためには養生期間が不可欠です。
目荒らしを行うことで、塗料が凹凸に入り込んで定着しやすくなります。密着度が高い塗料は剥がれにくく、美しい塗装面が長持ちします。
具体的には、凹凸をつけることで塗料が流れにくくなり、乾燥するまで維持することが容易になります。表面積が増えるため塗料と接している面積も増え、剥がれにくくなるのです。
参考)https://xn--rms9i4ix79n.jp.net/blog/19787.html
一方で注意点もあります。目荒らしは作業に時間がかかる上、完成時点の仕上がりを見ただけでは実施したかどうかわかりません。そのため、目荒らしの重要性を理解している優良業者を選ぶことが大切です。
リフォーム業者に見積もりを依頼する際は、目荒らし作業が工程に含まれているかを必ず確認しましょう。作業内容を明記した見積書をもらい、施工中の写真記録を求めることで、適切な下地処理が行われたか証拠を残せます。
NPO法人日本剥離洗浄技術協会のコンクリート目荒し工法
目荒らし工法の詳細と施工基準について、専門機関の情報が参考になります。
外壁塗装における目荒らしの詳細解説
塗装工事での目荒らしの役割とケレンとの関係性について詳しく解説されています。