あなたの保証書、実は効力は1年しかありません。

リフォームの保証期間には、新築住宅のような全国統一のルールがありません。
新築住宅なら住宅品確法によって「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」に10年間の保証が義務づけられています。ところがリフォームにはこの法律が適用されないため、保証期間は施工会社が独自に設定する契約内容次第で決まります。
内装のクロス張替えや床の張替えなら1〜2年程度、キッチンや浴室などの水回り設備なら1〜5年程度、電気工事は3〜5年程度、外壁塗装や防水工事になると5〜10年程度という会社が多いようです。つまり工事の部位によって年数が変わるということですね。
参考)リフォームの保証期間は何年?工事保証・設備保証の違いと確認ポ…
同じ会社に依頼しても、部屋ごとに保証年数がバラバラになるケースもあります。契約書に「工事内容別の保証期間一覧」が明記されているか、契約前に必ず目で確認しておくと安心です。
工事保証と設備保証の違い、部位別の年数目安を業者選びの視点でまとめた解説
契約書に保証年数の記載がなかったとしても、実はゼロではありません。
民法637条により、請負工事における瑕疵(不適合)の担保責任期間は、原則として不適合を知った時から1年以内と定められています。つまり契約書に一言も保証の記載がなくても、法律上の最低ラインとして1年間は修繕や損害賠償を請求できる権利があるわけです。
参考)リフォームの保証期間はたったの1年?保証の種類や注意点まで解…
これが基本です。
ただし注意すべきは、この1年は「工事完了日から1年」ではなく「不具合に気づいてから1年」という点です。引き渡し直後に発見できなかった不具合は、発見時点からカウントが始まります。逆に言えば、不具合を発見してから通知を先延ばしにすると、あっという間に1年が過ぎて請求できなくなるリスクがあります。壁のシミやドアの微妙な隙間など、気づいたその日にスマホで写真を撮ってメモしておくくらいの習慣が、後の交渉をスムーズにします。
保証期間は工事の種類によってはっきり傾向が分かれます。
内装のクロスや床材といった仕上げ部分は経年劣化が早いため、保証期間は1〜2年程度と短めに設定されがちです。一方、キッチンやトイレなどの設備機器は「設備保証」としてメーカー保証に施工会社独自の保証を上乗せするケースが多く、1〜5年程度が一般的です。
参考)リフォームの保証期間は何年?業者ごとに異なる保証制度のしくみ…
意外ですね。
さらに外壁塗装や屋根の防水工事は、日常的に雨風の影響を直接受ける部分だけに保証期間が長く、5〜10年程度に設定される傾向があります。目安として、外壁塗装の保証10年は東京ドームの屋根が10年ごとに張り替えられるイメージに近い、長期メンテナンス前提の保証と考えるとわかりやすいでしょう。部位ごとに保証年数を一覧表にしてもらい、契約書に添付してもらうよう業者へ依頼するのも一つの方法です。
保証書があっても、施工会社が倒産すればどうなるんでしょう?
通常、保証は施工会社との契約に基づくものなので、会社が倒産すると保証そのものが実質的に無効になってしまいます。これに備える制度が「リフォーム瑕疵保険」です。この保険は施工会社が保険法人に加入する仕組みですが、加入後に会社が倒産して瑕疵が見つかった場合、施主が保険法人に直接保険金を請求できるようになっています。
これは使えそうです。
保険金は他の施工会社に依頼する修繕費用に充てられるため、倒産後でも工事をやり直すお金の心配が減ります。リフォームを依頼する際は、契約前に「瑕疵保険に加入しているか」「加入している保険法人名は何か」を業者に確認しておくとよいでしょう。国土交通省が指定する保険法人のサイトで、加入業者かどうかを検索できる場合もあります。
保証年数の数字だけを見て安心するのは早計です。
同じ「保証5年」でも、保証の対象範囲が「工事のミスによる不具合のみ」なのか「経年劣化を含む幅広い不具合」なのかで、実際に使える保証の中身は大きく変わります。契約書には保証年数だけでなく、対象範囲・免責事項・保証を受けるための手続き(通知方法や期限)まで明記されているかを確認しましょう。
〇〇に注意すれば大丈夫です、という単純な話ではなく、複数の項目をセットで見る必要があります。
保証書が発行されるタイミングも重要です。工事完了後にすぐ発行されるのが基本ですが、発行が遅れる、または口頭説明のみで済まされるケースもあるようです。保証書の原本は紙とスマホで写真を残す形で二重に保管しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
かし保険の仕組みと工事保証の一般的な年数について解説した記事
リフォーム前の現地調査を雑費で切ると、あとで工事代ごと資産計上に巻き込まれることがあります。
リフォームを考え始めると、まず気になるのが現地調査の費用を何で処理するのかという点です。見積もり前の下見で5,000円から2万円ほど、耐震や配管の確認まで入ると数万円になることもあります。結論は中身で決まるです。
一般的な実務では、外部業者へ払う現地調査の報酬を外注費、支払手数料、あるいは調査費で処理するケースが見られます。freeeの取引入力ナビでも、事業に必要な調査を外部委託した場合は外注費・支払手数料・広告宣伝費などで記帳し、事業所によっては調査費という科目も使うと案内しています。科目の継続性が基本です。
参考)freee 取引入力ナビ
ただし、リフォームや建物関連ではここで話が終わりません。国税庁の通達では、建物の建設等のために直接行う調査や測量、設計、基礎工事などは、固定資産の取得価額に関係する扱いが出てきます。つまり単なる経費とは限らないです。
ここが一番の落とし穴です。リフォームのための現地調査が、単なる相談用の下見ではなく、実際の工事実施に直結する地質確認、構造確認、配管ルート確認のような内容なら、その費用は工事原価の一部として扱われる可能性があります。取得価額に入ることがあります。
浅田会計事務所の解説では、関西電力が施設設置の調査費用約4.4億円を経費処理していて、固定資産に計上するよう税務調査で指摘を受けた事例が紹介されています。金額は大企業の例ですが、論点そのものは中小事業者のリフォームでも同じです。大きい会社だけの話ではないです。
国税庁は、専ら建物や構築物等の建設のために行う地質調査や地盤強化などは、その建物や構築物等の取得価額に算入すると示しています。たとえば事務所改装で床補強や設備増設のために事前調査を行い、その結果をもとに工事を進めるなら、建物附属設備や建物の取得価額に含める考え方が出やすいです。工事との一体性が条件です。
一方で、すべての現地調査費用が資産計上になるわけではありません。国税庁は、建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事などであっても、建設計画を変更したことで不要になったものは、取得価額に算入しないことができる例として挙げています。不要になった費用は別です。
これはリフォームでもかなり重要です。たとえば築30年の木造住宅で耐震補強を前提に現地調査へ3万円払ったものの、調査後に想定以上の劣化が見つかって工事自体を見送った場合、その3万円は完成資産に結びついていません。この場合は費用処理の説明がしやすくなります。
また、建築に関係なく行った調査費用も、浅田会計事務所は経費処理できるものとして挙げています。たとえば「この物件はリフォーム向きか」「水回り交換だけで済むか」を比較検討する段階の調査なら、まだ工事取得原価と一体とは言い切れません。つまり事前検討費です。
この整理を知っているだけで、見積書や請求書の受け取り方も変わります。工事の前提資料なのか、単独の調査報告なのかを分けて保存すると、あとで税理士へ説明しやすくなります。証憑の分け方が大事です。
実務で迷いやすいので、リフォームに近い場面で整理します。1件目は、内装業者に現地確認を依頼し、見積もり付きで1万5,000円請求されたが工事は未発注というケースです。この場合は支払手数料、外注費、調査費などで費用処理する考え方が自然です。未成約なら処理しやすいです。
2件目は、店舗改装のために配線、配管、床荷重まで調査し、その後そのまま工事を実施したケースです。この場合、調査が工事の前提であり、完成した設備や内装と強く結びつくなら、建物や建物附属設備の取得価額に含める検討が必要です。ここは分岐点です。
3件目は、2万円の現地調査後にプラン変更でその報告書が使われなくなったケースです。国税庁の例示では、計画変更により不要となった調査等は取得価額に算入しないことができるので、費用処理の根拠を持ちやすいです。不要資料なら問題ありません。
4件目は、賃貸物件の原状回復や軽微な修理前の点検です。総務の森の相談では、実際の修理をしなかった場合は修繕費や支払手数料、修理した場合は修繕費か資本的支出の処理が考えられるとされています。修理か改良かで変わるです。
参考)修理の事前調査の勘定科目は? - 相談の広場 - 総務の森
ここは検索上位でも意外と薄い部分ですが、税務上は勘定科目そのものより、なぜその処理にしたかの説明資料が重要です。請求書に「現地調査一式」とだけあると、5,000円でも5万円でも中身が見えません。摘要の粒度が重要です。
リフォーム関係で安全なのは、請求書や見積書に「見積もりのための下見」「耐震補強工事前の構造確認」「給排水更新工事の事前調査」など、目的を具体的に残すことです。工事と一体なら資産計上判断に役立ち、見送りなら不要となった費用の説明に使えます。目的の記録が条件です。
この場面の対策は、税務リスクを減らして後から仕訳を直す手間を減らすことです。その狙いなら、業者へ依頼する時点で請求書の但し書きを具体化してもらい、会計ソフトのメモ欄にも同じ内容を残すだけで十分です。これは使えそうです。
現地調査費用は、リフォームの前段階だから全部経費と考えると危険です。工事のために直接必要だったか、計画変更で不要になったか、この2本線で見ると整理しやすくなります。つまり中身勝負です。
調査費用が工事代に含まれている場合、請求書上で分かれていなくても、実質として取得価額に含まれることがあります。逆に、検討だけで終わった調査は費用処理の余地があります。判断を先送りしないことが大切です。
調査費用の資産計上ルールが整理しやすい参考先です。
国税庁 第1款 固定資産の取得価額
税務調査で問題になった実例と、調査費用が取得価額に入る場合・経費処理できる場合の整理です。
浅田会計事務所 固定資産の取得価額と調査費用
外部委託した調査費用をどの勘定科目で入力するかの実務例です。
freee 取引入力ナビ 事業に必要な調査を外部に委託した
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