ボルトの「長さ」は首下から計るのが基本ですが、実は皿頭タイプだけは全長が長さになります。 この違いを知らずにホームセンターで購入すると、手元に届いたボルトが想定より短く、締結力が足りなくなることがあります。
参考)ネジの長さって、どの部分のこと? – ネジ・金物…
六角ボルトの「長さ(呼び長さ)」とは、頭部の下面から先端までの「首下長さ」のことを指します。 これは「ネジが部材に入り込む部分」を長さとする統一ルールに基づいています。
ところが皿頭ねじや半沈頭ねじのように、頭部が部材に完全に沈み込むタイプは例外です。 頭まで材料に入るため、全長が呼び寸法として扱われます。
六角ボルトは頭が部材の表面に出っ張るため、首下から先端までが長さの基準です。つまり「M8×30」なら、頭の厚みを除いた30mmが締結に使える長さということです。 ここを勘違いして購入すると、実際に締めたとき思ったより短くて締結力が確保できない事態になります。注意が必要ですね。
| ボルト頭の形状 | 長さの計り方 | 代表例 |
|---|---|---|
| 六角頭・鍋頭・トラス頭 | 首下(頭下面)から先端まで | 六角ボルト、鍋小ねじ |
| 皿頭・ラッパ頭 | 頭頂部(全長)から先端まで | 皿小ねじ、皿ビス |
「首下長さ」が基準と覚えておけばOKです。皿頭だけは全長が長さになる、と例外を1つ押さえておきましょう。
六角ボルトの規格はJIS B1180で定められており、呼び長さは細かく刻まれています。 一般的な市販品では以下のような長さのラインアップが流通しています。
市販のボルトは50mmを超えると5mm単位、さらに長くなれば10mm単位の展開になります。 これは規格上の呼び長さのラインアップがそのまま反映されたものです。
参考)六角ボルトの長さの選び方を教えてください。 - 鉄パイプにφ…
リフォームで使う一般的な場面では、M6〜M12、長さ20〜80mmの範囲が最も多く登場します。ホームセンターの棚には大量の種類が並んでいて迷いやすいですが、必要な長さが5mm刻みにない場合は切り上げて選ぶのが安全です。
ボルトを選ぶとき、最も重要なのが「ねじかかり長さ(ねじ込み深さ)」です。これが不足すると、ボルトは簡単に抜けてしまいます。
ねじかかり長さの目安は次の通りです。
これが原則です。例えばM8ボルト(径8mm)で鉄板に締結するなら、最低8mm以上のねじ込み深さが必要です。
長さの計算式はシンプルです。
必要なボルト長さ = 締結する部材の厚さ + ねじかかり長さ(またはナット厚み) + 座金の厚み
たとえば、厚さ10mmのアングル材を厚さ5mmの鉄板にM8ボルトで固定する場合、ナット厚(約7mm)と座金(約1.5mm)を加えると「10+5+7+1.5=約23.5mm」です。繰り上げて25mmのボルトを選ぶのが正解です。長さが足りないとナットが最後まで締まりませんし、長すぎると先端が飛び出して危険です。計算してから選びましょう。
六角ボルトには「全ねじ」と「半ねじ」があります。この違いを知らないとリフォームで大きな失敗につながります。
半ねじが必要なのは、複数の部材を密着させながら締め付けたい場面です。 全ねじだと部材間でねじ山が噛んでしまい、2枚の板材がうまく引き付け合えないことがあります。
参考)https://www.yura-sansyo.co.jp/handbook/handbookV8-1.pdf?1777422984
半ねじのねじ部長さ(b)はJIS規格で定められており、呼び長さによって異なります。 大まかには次の式で計算できます。
参考)六角ボルト規格表
例えばM8×50の半ねじボルトなら「8×2+6=22mm」がねじ部の長さです。 残り28mmは軸部(ねじなし)になります。締結対象が薄い部材の場合、この軸部分がはみ出してナットがかからない、という失敗が起きやすいです。これは盲点ですね。
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 全ねじ | 首下全体にねじ山あり | ナットで固定・ねじ込み全体で固定する場合 |
| 半ねじ | 首下に軸部+ねじ部 | 2枚以上の板材を密着させて引き付けたい場合 |
リフォームの棚固定や金物取り付けでは半ねじが多用されます。長さを選ぶ際は「ねじ部長さがかかり代として十分かどうか」を必ず確認してください。
市販の六角ボルトには「M8×30」のように表記されています。M8が径(太さ)、30が首下長さ(mm)です。 ここまでは多くの人が知っています。しかし購入時に見落としがちなのが、「呼び長さの許容差」です。
JIS B1180では呼び長さに対して実際の長さには許容差(公差)があり、例えば長さが50mm以下なら±0.5mm(中級)から±0.8mm(並級)の誤差が認められています。
参考)JIS 寸法表〈六角ボルト〉|つなぐ、をつなげてゆく。リネッ…
「M8×30を買ったのに実測29.5mmだった」というのは規格上まったく問題ないのです。 精度が求められるリフォームや機械加工では「部品等級A」と「部品等級B」の違いも確認が必要です。 部品等級Aはより高い精度を持ち、主にd=1.6〜24mm・呼び長さが10d以下または150mm以下の製品に適用されます。
参考)https://www.yura-sansyo.co.jp/handbook/handbookV8-1-58.pdf?1775452247
ホームセンターで売っているボルトの多くはJIS附属書JA規格の国内流通品です。精密機械への使用でなければほぼ問題ありませんが、締結部に高い精度が求められる場面では「部品等級A・本体規格品」を明示して購入するのが安全です。これは使えそうな知識ですね。
六角ボルトの規格についてさらに詳細な寸法表を参照したい場合は以下のリンクが役立ちます。JIS B1180の抜粋が数値付きで確認できます。
六角ボルトのJIS規格 寸法表(株式会社リネックス):呼び長さ許容差の一覧表が確認できます。
JIS 寸法表〈六角ボルト〉|つなぐ、をつなげてゆく。リネッ…
六角ボルト全ねじ・半ねじのねじ長さ規格表(有楽三商):半ねじのねじ部長さ(b値)を呼び径別に確認できます。
https://www.yura-sansyo.co.jp/handbook/handbookV8-1.pdf
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