端子台のネジをDIYで締め直しただけで、火災保険が無効になることがあります。
端子台(Terminal Block)とは、電線と電線、または電線と電気機器を安全かつ確実に接続するための配線部品です。 一見地味な部品ですが、制御盤・電気盤・機械装置のほぼすべてに使われており、配線の整理・保守・拡張性を支える縁の下の力持ちです。
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リフォームで壁内の電気配線を変更したり、設備を増設したりするとき、必ずと言っていいほど端子台が関係してきます。
端子台を一言でいえば「電気のターミナル(中継器)」です。 対になった端子同士は電気的に導通しており、隣の端子とは絶縁されている構造になっています。これにより、複数の電線を安全に分けて接続できます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ターミナル | 接続点・中継点のこと |
| 絶縁 | 電気を通さない状態にして隣の端子との混線を防ぐこと |
| 導通 | 電気が流れている状態のこと |
| 極数 | 端子台に含まれる端子(接続点)の数 |
なぜ端子台が必要なのでしょうか。電線を直接機器に接続してしまうと、修理・点検のたびに機器を分解しなければなりません。端子台を介することで、電線を端子から外すだけで済み、作業時間が大幅に短縮されます。
つまり「外しやすく、確認しやすく、増やしやすい」が端子台の本質です。
端子台にはいくつかの種類があり、用途や設置環境によって使い分けられています。 リフォームの際に業者から説明を受けたとき、種類の名前を知っているだけで工事内容の理解度が大きく変わります。
参考)端子台とは?種類・結線方法・電気盤での役割をわかりやすく解説
まず取り付け方による分類を確認しましょう。
次に、電線の接続方法による分類です。
これは使えそうですね。
特にリフォームで注目したいのはプッシュイン式です。工具なしで差し込めるため施工が速く、近年の制御機器や分電盤で採用が増えています。一方でネジ式は振動が多い場所や高電流・高電圧の場所で信頼性が高く、依然として主流です。
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端子台への結線は、正しい手順を踏まないと接触不良・発熱・最悪の場合は火花や火災につながります。 手順を知っておくことは、業者への指示や完成後の確認にも役立ちます。
参考)端子台への正しい接続方法!注意すべき8つのポイント - Yo…
ネジ式端子台への結線の基本手順は以下のとおりです。
1. 外装被覆を約50mm剥く
参考)端子台へ結線するときの注意点は?被覆を剥くコツと手順を解説!…
2. 心線(内側の被覆)を約12mm剥く
3. 心線の先端を圧着端子(R形・Y形・棒状)で加工する
4. 端子台のネジを緩め、圧着端子を差し込む
5. ネジをその場で即座に締め付ける(後回し厳禁)
「その場で締める」が原則です。
なぜ「その場で締める」が重要なのでしょうか。ネジを緩めたまま放置すると、締め忘れが発生します。 締め忘れたネジは接触不良を起こし、放電による火花が発生する危険があります。工事現場で実際にネジが緩んだままで引き渡された事例もあるため、施工後の確認は必須です。
また、1つの端子ネジに接続できる電線は最大2本までです。 3本以上を1つのネジに接続してはいけません。電線が抜けたり接触不良になる可能性が高く、安全上のリスクも大きくなります。
圧着端子を使わず裸線のまま差し込むことも避けるべきです。 締め付けすぎで心線が切れたり、電線が抜けたりする原因になります。
参考:端子台への正しい配線接続方法(8つの注意点を動画で解説)
端子台への正しい配線接続方法|注意すべきポイント
端子台を選ぶ際に最も重要なのが「電流容量(定格電流)」です。 容量を超えた使い方をすると、端子が過熱して絶縁体が溶け、最悪の場合は発火します。リフォームで電気設備を追加する際は、既存の端子台の電流容量を確認することが欠かせません。
選定の主なポイントはこの4つです。
電流容量が大きいほど端子台の物理的なサイズも大きくなります。 制御盤内のスペースが限られているリフォーム現場では、サイズと容量のバランスを取ることが重要です。
フューズ付き端子台という種類もあります。 これは端子台に過電流保護機能が内蔵されたもので、機器ごとの保護が必要な場合に使われます。設備を増設するリフォームでは、このような機能付き端子台の採用を検討する価値があります。
参考:端子台の種類・選定ポイントの詳細(JIS規格情報も掲載)
端子台って何でしょうか? - サトーパーツ株式会社
リフォームで見落とされがちなのが、既存の端子台の「見えない劣化」です。築20年以上の住宅では、制御盤や分電盤の中の端子台が経年劣化しているケースが少なくありません。外観は問題なく見えても、内部で確実に進行している劣化があります。
劣化が進んだ端子台に起こりやすい問題は次のとおりです。
見た目で判断しにくいですね。
劣化の有無を確認する際は、端子台のネジ部分の変色(黒ずみ・茶色)と、絶縁体のひびや変形を目視で確認するのが最初のステップです。また、増し締め(ネジの再締め付け)を定期的に行うことで、ネジゆるみによる事故は大幅に予防できます。
ただし注意が必要です。端子台のネジ締め作業であっても、電気工事士の資格なしに分電盤や制御盤内部の配線に触ることは電気工事業法上の問題が生じます。 リフォームの際に業者へ「既存端子台の点検も含めてほしい」と一言伝えるだけで、見落としリスクを下げることができます。
参考)【電気工事士技能試験】試験前に絶対見るべき!端子台・ブレーカ…
費用感としては、端子台そのものの部品代は1個あたり数十円〜数百円程度と非常に安価です。しかし劣化した端子台が原因で配線トラブルが起きると、調査・修理に数万円規模の費用が発生することもあります。早期発見が何よりの節約になります。
参考:制御盤内の端子台の配線接続方式と信頼性に関する技術資料(日本電機工業会)
制御盤内の電線接続方式 - 日本電機工業会(PDF)