在来浴室のリフォーム方法と注意点
在来浴室リフォームの3つのポイント
💰
費用相場を知る
65〜150万円が一般的な費用相場です
在来浴室の特徴とリフォームが必要な理由
在来浴室は、タイルや防水工事を現場で一つ一つ手作業で施工する伝統的な工法で作られた浴室です。高度経済成長期に建てられた多くの住宅でこの工法が採用されており、現在では経年劣化による様々な問題が発生しています。
在来浴室の主な特徴として、以下のような点が挙げられます:
- カビや水垢が付きやすいタイル目地
- 床の水はけが悪く、滑りやすい
- 断熱性能が低く、ヒートショックのリスクが高い
- 修理や部分的な補修が難しい
特に築30年以上経過した在来浴室では、以下のような深刻な問題が発生することがあります:
- 防水層の劣化による漏水
- タイルの剥離や浮き
- 配管の腐食や詰まり
- 床下の木材腐食
国土交通省による住宅の耐用年数に関する調査データ
在来浴室からユニットバスへの具体的な工事工程
ユニットバスへの改装工事は、通常以下の手順で進められます:
- 事前調査と採寸(1日目)
- 既存浴室の解体前に詳細な採寸
- 床下や壁の状態確認
- 配管経路の確認
- 既存浴室の解体(2〜3日目)
- タイルや壁材の撤去
- 配管類の撤去
- 産業廃棄物の適切な処理
- 下地工事(4〜5日目)
- 床のかさ上げ
- 新規配管の設置
- 防水工事
- 断熱材の施工
- ユニットバス設置(6〜7日目)
- パネルの組み立て
- 配管接続
- シーリング処理
- 設備機器の取り付け
- 仕上げ工事(8〜10日目)
工事期間中は、仮設トイレや簡易シャワーの設置が必要になることがあります。また、工事の進行状況によっては予定より日数がかかる場合もあります。
TOTOの浴室リフォーム工事の標準的な工程表
在来浴室リフォームで発生する追加費用の内訳
標準的な工事費用以外に発生する可能性のある追加費用について、詳しく解説します。
- 床下補強工事:15〜30万円
在来浴室の床下木材が腐食している場合、補強や交換が必要です。特に築35年以上の住宅では、床下の状態確認が重要です。
- 給排水管の交換:10〜25万円
古い給排水管は劣化や詰まりの原因となるため、この機会に交換することをお勧めします。配管の位置や長さによって費用は変動します。
- 断熱強化工事:8〜15万円
寒冷地や断熱性能を重視する場合は、追加の断熱工事が必要です。断熱材の種類や施工範囲によって費用が変わります。
- 防音工事:5〜12万円
マンションやアパートでは、近隣への配慮から防音工事が必要になることがあります。
- 廃材処理費:5〜10万円
タイルやコンクリートなどの産業廃棄物の処理費用です。地域や量によって料金が異なります。
予期せぬ追加工事を防ぐためのポイント:
- 事前の床下調査を徹底する
- 配管の経年劣化状況を確認する
- 建物の構造上の制約を確認する
- 近隣への工事説明と同意を得る
住宅リフォーム推進協議会による浴室リフォームの費用事例
在来浴室の寸法とユニットバス選びのポイント
在来浴室からユニットバスへの変更時、最も重要なのが寸法の確認です。
標準的な在来浴室の寸法:
- 1坪タイプ:1.8m×1.8m
- 0.75坪タイプ:1.6m×1.6m
- 0.5坪タイプ:1.4m×1.2m
ユニットバス選びで考慮すべきポイント:
- 必要な設備
- 浴室乾燥機
- 暖房機能
- 手すり
- 収納スペース
- 節水シャワー
- 快適性を高める機能
- 保温浴槽
- 広々洗い場
- 床暖房
- 半身浴ステップ
- 浴室テレビ
- お手入れのしやすさ
- 抗菌・防カビ加工
- 凹凸の少ない壁面
- 排水口の構造
- 床材の素材
- 省エネ性能
- 断熱等級
- 24時間換気システム
- LED照明
- エコ機能
特に注意が必要な点として、既存の開口部の位置や大きさがユニットバスの搬入に影響を与える可能性があります。場合によっては、建具の一時的な撤去や壁の一部解体が必要になることもあります。
LIXILによるユニットバスのサイズ選定ガイド