無資格でブレーカー内部を触ると、30万円以下の罰金と前科がつきます。
家のブレーカーボックスを開けると、複数のスイッチが並んでいます。これらは役割がそれぞれ異なり、正しく理解しておかないと、落ちた原因を特定できません。
住宅のブレーカーは、大きく3種類に分かれています。
電気は「電力会社の柱上変圧器→引込線→メーターボックス→アンペアブレーカー→漏電ブレーカー→安全ブレーカー→各コンセント」という順で流れます。つまり上流から順番に保護されている構造です。
自分でリセットできるのは、安全ブレーカーと漏電ブレーカーの操作だけ、と覚えておけばOKです。
アンペアブレーカー(赤いレバー)は電力会社の管轄のため、勝手に操作・交換してはいけません。触れる範囲をあらかじめ把握しておくことが、安全なDIYの第一歩です。
「ブレーカーが落ちた」と一口に言っても、原因によって対処法はまったく違います。間違った対処を繰り返すと、壁内の配線が焦げたり、最悪の場合は火災につながります。
原因は次の3パターンです。
安全ブレーカーが1つだけ落ちていれば、過負荷か短絡の可能性が高いです。漏電ブレーカーが落ちている場合は、漏電の可能性が高い。これが基本です。
漏電箇所を特定する手順は、次のように行います。
機器を外しても漏電ブレーカーが落ちるなら、壁内の配線が原因です。その場合はDIYの範囲外です。電気工事士への依頼が条件です。
「自分でブレーカーを交換したい」と考える方は少なくありません。ホームセンターで部品が買えるため、できそうに見えます。しかし法律の壁があります。
電気工事士法第3条により、一般住宅の屋内配線工事・ブレーカーの取り付け・コンセントの新設などは、第二種電気工事士以上の資格が必要です。無資格で行った場合、3万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役(初犯でも適用されます)が定められています。
意外ですね。「コンセントのプレート交換くらいなら」と思いがちですが、壁内の電線に少しでも触れる作業は違反対象になります。
資格取得を考えている場合、第二種電気工事士の筆記試験は年2回(上期・下期)実施されています。合格率は約60%と比較的高く、独学でも3〜4ヶ月で取得できます。DIYで本格的に電気を扱いたいなら、資格取得が最も確実な道です。
参考:第二種電気工事士の試験情報(一般財団法人 電気技術者試験センター公式)
https://www.shiken.or.jp/examination/p-construction01.html
「何度リセットしても同じ回路が落ちる」という状況は、設備の限界サインです。根本原因を解消しない限り、繰り返し落ちます。
まず、問題の回路に何Aが流れているか把握することが先決です。各家電の消費電力(W)を100で割ると、おおよその電流(A)が出ます(100Vの場合)。例えば電子レンジ1500Wなら15A、エアコン1200Wなら12A、これを1回路(20A)で同時に使えばそれだけで超過します。
キッチン周りは特に注意が必要です。電子レンジ・炊飯器・電気ケトルを同時使用すると30A超えも珍しくありません。
対策として有効なのは「使う時間をずらす」か「タコ足配線をやめて別回路のコンセントを使う」の2択です。どちらもコストゼロでできます。
それでも解決しない場合は、回路の増設または契約アンペアの変更が必要です。契約アンペアの変更は電力会社への連絡だけで可能(工事費無料の場合が多い)なため、まず電力会社に相談するのが最も手軽な選択肢です。
参考:電気の契約アンペアを変更する方法(東京電力エナジーパートナー)
https://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere/
検索上位ではほとんど触れられていない視点ですが、ブレーカーそのものの寿命は一般的に13〜15年とされています。築年数が古い家では、ブレーカーが正常に動作しなくなるリスクがあります。問題は「壊れているのにトリップ(遮断)せず電気を流し続けること」で、これは火災リスクに直結します。
以下の症状がある場合は、電気工事士への点検依頼を検討してください。
焦げ臭い匂いがしたら即刻電源を落とすべきです。これは即時行動が必要なサインです。
築30年以上の住宅では、アルミ配線(1970〜80年代に普及)が使われているケースがあります。アルミ配線は銅配線に比べて接触不良が起きやすく、接続部の発熱・発火リスクが約55倍高いとする報告もあります(米国消費者製品安全委員会の調査)。アルミ配線かどうかはコンセントを外した際の電線の色(銀色)で確認できますが、確認作業自体に感電リスクがあるため、専門家への依頼が原則です。
自己診断はあくまで「依頼するかどうかの判断材料」として使うのが正しい活用法です。異常を感じたら、経済産業省が整備している「電気工事士検索システム」や各地域の電気工事工業組合に相談することをおすすめします。
参考:一般社団法人 日本電気協会 電気安全情報
https://www.jea.or.jp/safety/
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