入院しても手術しても、病院で受けた治療の種類が多いほど請求額が増える「出来高払い」制度。実はリフォーム業界でも同じ仕組みが使われていますが、仕組みを知らないだけで数万円単位の差が生まれることがあります。

日本の医療では、患者に提供した医療行為ひとつひとつに「診療報酬点数」が設定されており、その合計を病院が請求する方式を「出来高払い(フィー・フォー・サービス)」と呼びます 。1点=10円として換算されるため、検査5点+投薬20点+処置30点であれば合計55点=550円という具合に計算されます 。
参考)https://kotobank.jp/word/%E5%87%BA%E6%9D%A5%E9%AB%98%E6%89%95%E3%81%84%E5%88%B6-853604
つまり、行った医療行為の量で医療費が変わるということです。
この仕組みは昭和17年(1942年)、国民皆保険が導入される以前から日本の診療報酬の基本として採用されてきた歴史ある制度です 。患者側にとっては「必要な医療行為をしっかり受けられる」という安心感がある一方、医療機関側は「多くの行為を提供するほど収益が増える」という構造になっています 。
参考)https://www.koueki.jp/dic/hieiri_648/
これは大きなメリットでもあります。
医療行為に対する点数(価格)は国が定めており、すべての行為について事前に公示されています 。自由診療(美容外科・健康診断・交通事故など)は診療報酬の対象外となるため、この出来高払いルールは適用されません 。
参考)http://www.igaku.co.jp/pdf/1901_wocnursing-2.pdf
| 項目 | 出来高払い | 包括払い(DPC) |
|---|---|---|
| 費用の決まり方 | 行為の量・種類で変動 | 病名・入院日数で定額 |
| 主な適用場面 | 外来診療・一部入院 | 一般病棟の入院 |
| 患者への影響 | 治療が多いほど費用増 | 治療量に関わらず一定 |
| 病院への影響 | 行為が多いほど収益増 | 治療を減らすほど収益増 |
リフォームで「工事した分だけ請求される」のが出来高払いのイメージです。医療でも同様で、追加で血液検査をすれば追加で費用がかかり、投薬が増えればその分だけ点数が積み上がります 。
参考)http://www.toma-med.or.jp/citizens/tomaihou/column_68/
対して包括払い(DPC方式)は「この病気なら入院1日あたり◯円」と定額が決まるイメージです。
DPCとは「Diagnosis Procedure Combination(診断群分類に基づく一日あたり包括支払い制度)」の略称で、2003年から日本の一般病棟入院に広く導入されています 。薬・注射・検査は包括(定額)の中に含まれますが、手術などの技術料は従来通り出来高払いで別途加算されます 。
参考)https://nmc.kpu-m.ac.jp/doc/kyousyokuinngenntei/busyosyoukai/iryousa-bisuka/files/1255059034974.pdf
なるほど、ハイブリッド型ということですね。
ただし例外があります。DPC対象病院であっても、次のケースでは出来高払いが適用されます :
参考)https://www.takatsuhosp.or.jp/dpc/dpc.php
この例外を知らずにいると、想定より高額な請求が来て驚くことがあります。入院前に「DPC対象病院かどうか」「どの方式で算定されるか」を確認しておくのが得策です。
出来高払いでは治療内容が増えるほど自己負担額も増えます。一般的な自己負担割合は3割(70歳未満)ですが、検査や処置が多い月は自己負担が数万円に達することも珍しくありません。
ただし、知っておくべき制度があります。
日本には「高額療養費制度」があり、1ヶ月の自己負担に上限が設定されています 。たとえば、年収約370〜770万円の標準的な世帯では、1ヶ月の上限は約80,100円(収入によって異なる計算式)です。つまり、いくら出来高払いで医療費が積み上がっても、自己負担はこの上限を超えません。
これは使えそうです。
さらに「限度額適用認定証」を事前に取得して窓口に提示すれば、月の上限額を超える支払いを窓口でしなくてすみます 。2012年4月からは入院だけでなく外来診療にも適用可能になりました。出来高払いの医療機関(特に外来)を頻繁に利用する方には、この認定証の取得が強くおすすめされます。
出来高払いの構造的な問題として、「医療行為が多いほど病院の収益が増える」という点が指摘されています 。これが過剰検査・過剰投薬につながりうるという懸念は、医療経済学の世界で長年議論されてきたテーマです。
参考)https://www.koueki.jp/dic/hieiri_648/
厳しいところですね。
実際、日本の医療費は年々増加しており、2025年度の国民医療費は45兆円超と推計されています。出来高払いによる「やればやるほど収入になる」仕組みが、医療費増加の一因とも見られています。このため日本では、入院医療についてはDPC方式(包括払い)を段階的に拡大し、出来高払い一辺倒から脱却する政策が進んでいます 。
参考)https://www.jica.go.jp/oda/project/1600492/news/20180323.html
一方で出来高払いにはメリットもあります。「必要な医療を必要なだけ受けられる」「患者ごとに異なる症状や体質に対応できる」という点では、定額制よりも個別対応がしやすいのです 。リフォーム工事でも「追加したい箇所が出てきたらその都度対応できる」出来高契約の柔軟性に似ています。
参考)https://www.koueki.jp/dic/hieiri_648/
診療報酬体系の詳細(Japan Health Policy NOW):出来高払いとDPCの日本における割合や変遷が詳しく解説されています
出来高払いの最大の落とし穴は、「最終的にいくらかかるかが事前にわかりにくい」点です。医療でもリフォームでも、「行為ごとに積み上げる」仕組みでは最終請求額が予想を上回るケースがあります。
同じ構造の問題ですね。
リフォームで出来高払い契約をする場合、工事が進むにつれて「追加作業」が発生しやすく、最終的に当初見積もりの1.5倍になったというトラブルも珍しくありません。医療でも、緊急入院や長期療養では予想外の処置が重なり、月の自己負担が想定を超えることがあります。
対策は「事前の確認」が原則です。
両分野に共通する対策として。
出来高払いとは、行為の透明性が高い反面、総額管理の責任が受け取る側(患者・発注者)にも一定程度求められる制度です。仕組みを理解した上でうまく活用すれば、むしろ「必要な分だけ確保できる」柔軟な制度として機能します。
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」:上限額の計算方法や申請手続きが公式に解説されています

waitleyマキタ BL1860 互換 バッテリー18v 6.0Ah2個セット全保護基板カットオフ機能付き 容量6000mAh マキタ純正充電器対応