あなたのリフォーム計画次第でフラット35Sの金利優遇があっさり消えます。

フラット35Sをマンションで利用するには、まずフラット35自体の技術基準を満たしていることが前提になります。
参考)対象となる住宅・技術基準
新築・中古を問わず、床面積は70平方メートル以上などの要件があり、これは約21坪、学校の教室1室弱くらいの広さをイメージすると分かりやすいです。
併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が建物全体の2分の1以上でなければ対象外となり、1階が店舗で2階が住居のマンション一室などはバランスによってNGになることもあります。
つまり床面積と用途配分が原則です。
この床面積要件は、リフォームで間取りを大きく変える場合にも影響します。
例えば住居部分を減らしてワークスペースを広げすぎると、住宅部分の割合が50%未満になり、フラット35の対象外となる可能性があります。
マンションリフォームでは「ちょっと部屋数を減らすだけ」と思っていても、登記や図面上の床面積構成が変わるとローン条件に直結する点が厄介です。
結論はリフォーム前に面積配分を必ず確認です。
フラット35Sは、フラット35の中でも省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性・耐久性・可変性のいずれかで優れた性能を持つ住宅が対象です。
参考)住宅:フラット35S - 国土交通省
たとえばZEH相当の高い省エネ性能を持つマンションなら、当初5年間▲0.75%の金利引き下げとなり、3,000万円借入で5年間の利息総額が60万円以上変わるケースもあります。
つまり高性能マンションほど優遇が大きいということですね。
一方で、性能基準を満たしているかどうかの確認は、管理組合や売主側の資料提供に大きく依存します。
参考)フラット35適合証明|商品一覧|住宅あんしん保証
設計図書や性能評価書が残っていない古いマンションだと、断熱性能や耐震性を証明できず、フラット35Sではなく通常のフラット35しか使えない場合があります。
参考)中古住宅の技術基準の概要
資料の有無が条件です。
フラット35Sの公式性能基準と金利引き下げ期間の一覧が掲載されています。
フラット35S公式:性能基準と金利引き下げ内容
中古マンションでフラット35Sを利用するには、「中古住宅の技術基準」に適合していることを示す適合証明書の取得が必須です。
この証明書は、住宅金融支援機構が登録した「適合証明検査機関」や「適合証明技術者」が現地検査や書類審査を行ったうえで発行します。
検査内容は、耐火構造かどうか、耐久性基準への適合、配管や共用部分の状況など細かくチェックされ、築年数だけで判断されないのが特徴です。
つまり築古でも条件を満たせば利用可能ということですね。
ただし、適合証明の検査には費用と時間がかかります。
数万円〜十数万円の検査費用がかかるうえ、申し込みから証明書発行まで数週間を要するケースもあり、引き渡し時期がタイトな取引ではスケジュールがシビアになります。
リフォームも同時に行う「【フラット35】リノベ」の場合は、工事前と工事後の2回の検査が必要で、工程管理を誤ると入居が1カ月以上遅れることもあります。
参考)【フラット35】 リノベ 住宅の条件
時間のロスもコストということですね。
適合証明や中古技術基準のチェックポイントが一覧になっています。
中古住宅適合証明手続きガイド(チェックシート)
リフォームに興味がある人にとって重要なのが、フラット35Sと【フラット35】リノベの関係です。
【フラット35】リノベは、省エネや耐震などの基準を満たすようなリフォームを行った中古住宅を対象に、金利優遇を行う制度で、工事後の性能が一定水準に達している必要があります。
基準は(1)〜(7)のリフォーム工事項目のうち1つ以上を満たすこととされ、例えば断熱改修や耐震改修、バリアフリー化などが対象となります。
つまりリフォーム内容次第でフラット35S相当の優遇も狙えるということです。
ただし、【フラット35】リノベの検査は工事前・工事後の2回行われ、検査に通る前提で工事計画を組まないとやり直しコストが発生します。
たとえば、断熱性能を高めるために内窓を設置する工事をしたものの、窓の仕様が基準に足りず、再度グレードアップ工事をしないと基準を満たせないケースもあります。
このような場合、追加工事費で数十万円、工期も2〜3週間伸びてしまい、結果的に金利メリットより高いコストになることもあり得ます。
計画段階で基準を確認すれば大丈夫です。
フラット35リノベの対象工事と基準の詳細がまとめられています。
【フラット35】リノベ:住宅の条件と対象工事
フラット35およびフラット35Sは、「自分または親族が居住する住宅」が対象で、投資用マンションや民泊専用物件を購入するための資金には使えません。
参考)301 Moved Permanently
将来的にリフォームして賃貸運用に回す計画を立てている人も多いですが、申込時点で収益物件としての利用が主目的であれば制度の趣旨に反します。
特にリフォーム後に短期賃貸やサブリース契約に切り替える場合、ローン契約上の違反になる可能性があり、最悪の場合、一括返済を求められるリスクも考えられます。
契約条件に注意すれば大丈夫です。
また、フラット35は原則として「一人1住宅」を前提としており、複数のマンションをフラット35で購入して将来の投資用に回すような使い方は想定されていません。
参考)フラット35はやめたほうがいい?3つのデメリットから見える注…
リフォームで賃貸需要を高めて家賃収入を得る戦略自体は有効ですが、資金調達の段階で制度違反にならないよう、居住実態や契約条件に注意する必要があります。
このあたりのグレーゾーンを誤解していると、思わぬタイミングでローン見直しや借り換えを迫られ、余計な手数料や金利負担を負うことになりかねません。
つまり制度の目的を理解することが基本です。
フラット35の利用目的や投資利用に関する注意点が整理されています。
フラット35は投資用に使えるか?利用目的の注意点
フラット35Sの基準やリフォームの計画について、今いちばん不安に感じている点は「技術基準」「検査・スケジュール」「投資との兼ね合い」のどれでしょうか?