木造住宅をリフォームしても「準耐火建築物」にはほぼ自動的にはなれない、ということを知らずに工事を進めると、保険料で数十万円を損し続けます。

1つ目は主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)を「準耐火構造」にすること。2つ目は延焼のおそれのある部分の外壁の開口部(窓・玄関ドアなど)に防火戸などの防火設備を設置することです。
つまり「外壁だけ耐火にした」「窓だけ防火戸にした」では不十分で、2つの条件が揃ってはじめて準耐火建築物と認められます。
参考)https://question.realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/1144081306/
木造の場合は、柱や梁などの主要構造部を石膏ボードや防火材料で被覆することで、準耐火性能を確保するのが一般的な方法です。 鉄骨・鉄筋コンクリート造のみが対象と思われがちですが、正しい工法をとれば木造でも実現できます。これは知っておいて損のない事実です。
参考)https://www.e-a-site.com/knowledge/rules/fire_proof/
| 区分 | 主要構造部の基準 | 耐火時間(非損傷性) | 木造での対応 |
|---|---|---|---|
| 耐火建築物 | 耐火構造 | 1〜3時間(部位ごと) | 特殊工法が必要 |
| 準耐火建築物(イ準耐) | 準耐火構造 | 45分〜1時間 | 石膏ボード等で被覆すれば可 |
| 省令準耐火構造 | 住宅金融支援機構の仕様基準 | 一定基準を満たす | 比較的取得しやすい |
準耐火建築物は「イ準耐」と「ロ準耐」に分類されます。この区別を知らずにいると、リフォームの仕様書を確認しても何を意味するのかわからなくなります。
イ準耐(イ号準耐火建築物)は、主要構造部を準耐火構造(45分間または1時間の耐火性能)にした建物です。 木造でも対応可能で、柱や梁を石膏ボードなどで適切に覆うことで認定されます。木造3階建て共同住宅では1時間準耐火構造が求められます。
参考)https://kijunhou.com/semi-fireproof-building/
ロ準耐(ロ号準耐火建築物)は2種類あり、うち「ロ-2準耐」は主要構造部の一部を準不燃材料で作る必要があるため、木造では原則として建てることができません。 これが意外なポイントです。「ロ準耐ならどれも木造でできる」という誤解は禁物です。
参考)https://kijunhou.com/semi-fireproof-building/
つまり木造で準耐火建築物を目指す場合は「イ準耐」か「省令準耐火」の2択が基本です。設計士や施工業者に依頼する際は、どの区分を狙うのかを最初に確認しましょう。
参考になる専門サイト(準耐火建築物のイ準耐・ロ準耐の条件を詳しく解説)。
ロ準耐の外壁・床等の条件とは?|建築基準法の解説サイト
木造住宅のリフォームで「省令準耐火構造(T構造)」の認定を取得すると、火災保険料が大幅に下がります。これが知られていない最大のメリットの一つです。
火災保険は建物の構造で保険料区分が変わります。一般的な木造住宅は「H構造」、準耐火・省令準耐火相当はより安い「T構造」として扱われます。 ある保険会社の試算では、一般木造(H構造)の年間保険料が約90,800円なのに対し、T構造は約49,250円と、年間約4万円以上の差が出ます。
参考)https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/live/total_assist/shohin/kouzou.html
保険期間を10年とすると、その差額は約40万円以上。痛いですね。
省令準耐火構造(住宅金融支援機構の定める基準を満たす木造住宅)として認定を受けると、この恩恵を受けられます。 ただし、既存の木造住宅をリフォームで省令準耐火に「変える」ためには、外壁・内壁・天井・床すべてにわたる広範囲の工事が必要で、外壁だけ替えれば認定されるわけではありません。
参考)https://www.mokujukyo.or.jp/initiative/ministry/
省令準耐火の保険料節減効果を具体的に確認したい場合は、住宅金融支援機構の公式サイトや、加入中の火災保険会社に「T構造として見直しできるか」を問い合わせるのが最も確実な方法です。
2025年4月から建築基準法が改正され、木造2階建て住宅の大規模リフォームにも建築確認申請が必要になりました。 これを知らずに工事を始めると、法的なリスクを負うことになります。
参考)https://www.ancube.net/column-building-standardlaw-special-exception/
改正前は、木造2階建て(旧4号建築物)のリフォームは原則として確認申請不要でした。しかし改正後は、主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)のうち1つでも、その総面積・総本数の過半(50%以上)を改修する場合は確認申請が必要になります。
具体的に確認申請が必要になるケースは次のとおりです。
参考)知っておくと安心!建築確認申請が必要なリフォームと不要なリフ…
一方で、申請が不要なケースも明確にされています。
参考)https://www.kenzai.or.jp/page/topics-association/4065/
つまり「壁の一部を直す」と「壁の半分以上を直す」では、法律上の扱いが大きく変わります。これは条件です。
リフォームを計画する際は、工事範囲が「主要構造部の過半に当たるか」を施工業者に必ず事前確認しましょう。確認申請には時間と費用(数万円〜)がかかるため、スケジュールに余裕をもって計画を立てることが重要です。
建築基準法の4号特例縮小をわかりやすく解説!リフォームへの影響(2025年改正版)
準耐火建築物の認定を取得することは、火災保険料の節減だけでなく、中古住宅としての資産価値にも影響します。一般にはあまり語られない視点ですが、リフォームを検討するなら知っておくべき情報です。
不動産売買の局面では、建物の構造・耐火等級は買主にとって重要な判断材料になります。準耐火構造の木造住宅は、そうでない物件と比べて火災リスクが低いとみなされ、融資審査や保険査定で有利になる場合があります。 これはいいことですね。
参考)https://note.com/smuu_agent/n/nd70a0ae46c9f
防火地域・準防火地域内にある木造住宅の場合、準耐火建築物の基準を満たしていないと、増改築の際に制約が生じます。 将来的に増築や売却を考えているなら、今回のリフォームで準耐火基準を取得しておくことは、長期的な観点からも合理的な投資です。
参考)https://www.odakyuhousing.co.jp/column/2022/10/07/fire-prevention-area/
また、2025年以降の法改正(4号特例縮小)により、木造住宅の構造・防火性能が明示的に求められる機会が増えました。 「建築確認書類が揃っている=準耐火性能が証明できる」物件は、将来の市場でより価値が高まる可能性があります。
参考)https://www.ancube.net/column-building-standardlaw-special-exception/
リフォーム完了後は、工事内容を示す書類(設計図・完成検査書など)を大切に保管しておきましょう。これらは保険契約の見直しや、将来の売却時に証明書類として役立ちます。
防火地域・準防火地域でのリノベーションするときに気をつけること(miyabi-toki)
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