あなた、1m足りないだけで補修費が増えます。

木材保存処理のK3は、JASで定められている保存処理区分のひとつで、K1からK5まである中の中位より上の実用グレードです。公益財団法人日本住宅・木材技術センターの解説では、K1は乾材害虫向けで、防腐・防蟻性能を要する部材には使えず、K2からK5が防腐・防蟻性能を求める部材に適用されます。つまりK3は、防腐と防蟻を前提に考える住宅部材でよく話題になる区分です。
さらに同資料では、K3は「通常の腐朽や蟻害のおそれがある条件で高度の耐久性を期待」する区分の目安として示されています。住宅の土台などが具体例に挙げられており、単なる虫よけ材ではないことが分かります。K1で十分だと思って選ぶのは危険です。
ここで誤解しやすいのが、K3は木材の樹種名でも薬剤名でもなく、あくまで性能区分だという点です。どういうことでしょうか?同じ「防腐処理材」と説明されても、K2なのかK3なのかで想定している使用環境が違います。だから見積書や仕様書では、処理済みという言葉だけで流さず、K3の記載まで確認するのが基本です。
参考)https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-455.pdf
参考:JASの保存処理区分の考え方が分かる資料です。K1〜K5の用途目安を確認できます。
日本農林規格(木材保存処理区分)
リフォームや増改築で特に重要なのは、K3が必要とされやすい範囲です。実務解説では、土台の木材と、土台から1mの柱にK3処理が必要と整理されることが多く、現場でもこの「1m」が見落としポイントになりやすいです。1mはメジャーならすぐですが、感覚では畳半分より少し長いくらいです。
また、長期優良住宅の評価基準に関する国土交通省系のFAQでも、土台について防腐・防蟻処理で基準を満たすなら、防腐・防蟻処理の方法と内容が分かる資料の添付が必要とされています。結論は、部材名だけでは足りないです。土台にK3相当といえる根拠資料までそろって初めて評価しやすくなります。
ここでの驚きは、木材全体を全部K3にする話ではなく、必要部位と必要範囲を外さないことが重要だという点です。つまり範囲管理です。見積もりで「防腐防蟻処理一式」とだけ書かれている場合、土台だけなのか、柱の下部1mまで含むのかで、将来の耐久性も金額の妥当性も変わります。あなたが比較する時は、まず「どこからどこまでですか」と1回聞くだけで精度が上がります。
参考:土台のK3相当・K2相当の考え方と、資料添付の要点がまとまっています。
評価基準型におけるK3相当、K2相当以上の防腐・防蟻処理について
検索時に混乱しやすいのが、JASのK区分とAQ認証の種別が並んで出てくることです。実務解説では、K2=AQ3、K3=AQ2、K4=AQ1という対応関係が紹介されており、数字の大きさがそのまま上下関係を表していない点が落とし穴です。意外ですね。
国のFAQでも、AQ認証材の保存処理材では、1種または2種がK3相当、3種がK2相当として整理されています。つまり「AQ2だから弱い」と数字だけで判断すると逆に読み違える可能性があります。数字の向きが違うだけ覚えておけばOKです。
リフォームの見積もりでAQ材と書かれていると、K3ではないのではと不安になる人もいます。ですが大切なのは表記形式より、K3相当かどうか、対象部位に使うのか、資料が出るのかの3点です。AQの場合はどうなるんでしょう?その答えは、認証種別と使用部位をセットで見る、これが原則です。
K3材は無処理材より高くなりやすいですが、比較で見るべきなのは材料単価だけではありません。K3は、通常の腐朽や蟻害のおそれがある条件に対応する区分で、土台など交換しにくい部位で使われることが多いため、後からの補修費や解体手間まで含めると判断が変わります。交換しにくい場所ほど重要です。
たとえば床下側の土台交換は、周辺の解体、仮受け、復旧が絡むため、単純に木材1本の値段では済みません。だから初期費用で数万円を気にしても、数年後に床まわりの再工事で何十万円も動く構図は珍しくありません。痛いですね。記事上位の実務解説でも、長期優良住宅や劣化等級3を意識するならK3が基準になるとされています。
ここで役立つのは、見積書の中で次の3つを一緒に確認することです。
>「木材保存処理 K3」または「K3相当」の記載があるかです。
>土台だけか、柱下部1mまで含むかです。
>JASまたはAQの証明資料を出せるかです。
費用を抑えたい場面では、処理不足のリスクを減らすのが狙いで、候補は「仕様書に処理範囲を追記してもらう」です。これなら違反になりません。高い材を漫然と選ぶより、範囲と証明を一行足すほうが、失敗防止には効きます。
検索上位では性能区分の説明が中心ですが、実際のリフォーム相談で差がつくのは「同じK3でも施工後に確認できる証拠が残るか」です。国のFAQが資料添付を求めているのは、言った言わないでは判定できないからです。証拠が重要ということですね。
もう一つ見落とされがちなのが、集成材、LVL、合板などは製材と違ってK3の基準しか設定されていないという整理です。つまり木材の種類が変わると、K1〜K5を横並びで比較する感覚がそのまま通用しない場合があります。比較の前提がずれるんです。
この違いを知らないまま「数字が大きいほど安心」「全部同じ表で見ればいい」と考えると、説明の食い違いで判断ミスが起こります。あなたがショールームや工務店で確認するなら、「その材は製材ですか、集成材ですか」「K3相当の根拠資料はありますか」の2問をメモしておくと十分です。質問は2つで足ります。これだけで、見た目が同じ木材でも中身が違う案件をかなり避けやすくなります。