欄間を「古くてダサい」と思って撤去すると、あなたの和室の資産価値が最大30%下がる可能性があります。
欄間(らんま)とは、天井と鴨居(かもい)または長押(なげし)との間に設けられる開口部のことです。 日本建築特有の部材であり、単なる飾りではなく、採光・通風・装飾という3つの機能を同時に果たします。
参考)https://diydoor-tsuhan.jp/blog/fusuma/1769/
読み方は「らんま」。漢字で書くと「欄間」ですが、「ランマ」とカタカナで書かれることもあります。 日常会話ではほとんど出てこない言葉なので、初めて聞いたという方も多いはずです。
参考)https://smile.re-agent.info/blog/?p=5502
欄間が設けられる位置は、主に「二間続きの和室どうしの境目」や「廊下と和室の間」です。 つまり部屋と部屋をつなぐ建具の上部に、もうひとつ開口を追加する形で作られます。ふすまを閉めていても光と風が通り抜けるのが大きな特徴です。これが基本です。
和室のある一戸建てやマンションでリフォームを考えているなら、欄間の存在を見落とさないことが重要です。欄間の有無が、空間のクオリティに直結するからです。
欄間の歴史は古く、奈良時代の寺社建築にその起源があります。 当初は貴族の邸宅に採用され、平安時代には書院造りの建築様式と融合しながら発展しました。江戸時代になると庶民の住宅にも広がり、各家庭の財力や好みに応じたさまざまなデザインが生まれていきます。
参考)https://www.athome.co.jp/contents/custom/build-design/ranma/
欄間が果たす役割は、主に以下の3つです。
現代のように冷暖房設備が整っていなかった時代、欄間は室内の快適さを保つための「生活の知恵」でした。 エアコンのない夏に、欄間が風の通り道になることで室内の温度を自然に下げていたのです。
ここが重要です。欄間は「古い家の飾り」ではなく、「気候に合わせた合理的な設計」だということです。これが原則です。とくに築40年以上の木造住宅では、欄間を撤去すると換気効率が下がり、結露やカビが増える事例も報告されています。
参考)https://kanazawaya-sosa-asahi.jp/column/a891a504-babe-4cc7-8aa7-ae7857fee1a9
欄間にはさまざまな種類があります。リフォームで欄間を選ぶ際は、部屋のスタイルに合ったタイプを選ぶことが重要です。以下に代表的な6種類をまとめました。
| 種類 | 特徴 | 向いている部屋のスタイル |
|---|---|---|
| 格子欄間 | 縦・横の格子を組んだシンプルなデザイン | 古民家・本格和室 |
| 透かし彫り欄間 | 木材に模様を彫り抜いた繊細なデザイン | 高級和室・座敷 |
| 書院欄間 | 書院造りに合わせた格調ある仕様 | 書院造りの座敷 |
| 丸窓欄間 | 丸型の開口が特徴的でモダンな印象 | 和モダン・洋和折衷 |
| 竹欄間 | 竹を使ったナチュラルなデザイン | 和カフェ風・リゾートスタイル |
| 組子欄間 | 釘を一切使わず木を組んだ職人技の逸品 | 高級旅館風・伝統和室 |
このうち「組子欄間」は特に職人の技術が求められるもので、1枚あたり5万〜30万円以上する場合もあります。 高価に見えますが、現代の職人が作った新品の組子欄間は、骨董市では10万円以上の値が付くこともあります。これは使えそうです。
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一方で、シンプルな格子欄間であれば、既製品を取り付けるリフォームで3万〜10万円程度から対応可能です。 予算に応じて選択肢が幅広いのは大きなメリットです。
参考)https://sumai.panasonic.jp/sumai_create/hiyou/room/
リフォームで欄間を扱うとき、大きく「取り付ける」「撤去する」「活かす(再利用する)」の3パターンがあります。
参考)https://www.stylekoubou.com/blog/note/242920/
取り付ける場合:
既存の和室に欄間を新設する場合、既製品の取り付け工事で3万〜15万円程度が目安です。オーダーメイドの透かし彫り欄間になると20万〜50万円以上になることもあります。 工期は1〜2日が多く、大きな工事にはなりません。
参考)https://sumai.panasonic.jp/sumai_create/hiyou/room/
撤去する場合:
注意が必要なのは、欄間が構造的な役割を担っている場合です。 特に木造軸組工法の古い住宅では、欄間周辺の柱や梁が複雑に絡み合っているケースがあります。施工前に必ず建築士や専門業者に確認することが条件です。
参考)https://kanazawaya-sosa-asahi.jp/column/a891a504-babe-4cc7-8aa7-ae7857fee1a9
再利用・活かす場合:
古い欄間をそのまま活かすリノベーションは、近年注目度が高まっています。 元の位置に残しつつ塗装や洗浄だけで仕上げると、費用を数千円〜数万円に抑えながら、空間の個性を大きく引き出せます。これは賢い選択です。
参考)https://www.stylekoubou.com/blog/note/242920/
欄間の採光・通風のメリットばかり注目されがちですが、デメリットも把握しておくことが大切です。欄間の盲点を押さえておけば、リフォーム後の後悔を防げます。
最大のデメリットは遮音性の低さです。 欄間は開口部なので、当然ながら音が漏れやすくなります。隣の部屋の会話がはっきり聞こえることもあり、プライバシーが気になる個室(書斎・寝室など)には不向きなケースがあります。
参考)https://www.athome.co.jp/contents/custom/build-design/ranma/
具体的に言うと、欄間のある部屋とない部屋では、話し声の音量差が5〜10デシベル程度変わることもあります。10デシベルの差は「半分くらい静かになった」と人間が感じる目安です。痛いですね。
防犯面については、欄間から室内への侵入リスクを心配する声もあります。しかし実際には、欄間の開口部は幅10〜20cm程度(はがきの縦幅ほど)のものが多く、人が侵入できるサイズではありません。 標準的なサイズなら問題ありません。
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ただし、格子がない「板欄間」や「ガラス欄間」の場合は、ガラスを割って鍵を解除されるリスクがゼロではないため注意が必要です。防犯ガラスへの交換や補助錠の取り付けを合わせて検討することをおすすめします。
遮音性を改善したい場合は、欄間部分だけに後付けできる「欄間ふさぎパネル」という製品があります。取り付け・取り外しが簡単で、1枚5,000〜15,000円程度から販売されており、工事不要でホームセンターでも手に入ります。 遮音したい場面に対応できる選択肢として、まず候補に入れてみてください。
参考)https://sumai.panasonic.jp/sumai_create/hiyou/room/
欄間の採光・通風のメリットを活かしながら、必要なときだけ遮音できる環境を整えるのが、最もバランスのよい使い方です。つまり「開け閉めできる欄間」が条件です。
参考:欄間の種類・デザインやメリット・デメリットの詳細な実例はSUUMOの記事が参考になります。
参考:欄間の歴史と日本建築での位置づけについて詳しい解説があります。
参考:欄間を含む和室リフォームの費用相場と実例が豊富に掲載されています。
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