9mm厚の合板を捨て貼りに使うと、床が5年以内にたわんで修繕費が10万円超になるケースがあります。
捨て貼り合板の厚みは、現場の状況によって明確な使い分けが必要です。 一般的にフローリングメーカー各社は「厚み12mm以上」を推奨しており、WOODONEやTOSTEMなどの施工指示書にも「根太上に厚さ12mm以上の合板を捨て張りすること」と明記されています。 woodone.co(https://www.woodone.co.jp/static/business/wp-content/uploads/2020/01/488_F-YD_%E6%96%BD13.pdf)
9mmと12mmの違いは、たった3mmの差に見えますが、実際の剛性には大きな差があります。これが条件です。
合板の曲げ剛性は厚みの3乗に比例するため、12mm合板は9mm合板の約2.4倍(12³÷9³≒2.37)の強度を持ちます。これは例えるなら、厚さ1cmの板と1.3cmの板では、たわみやすさがまるで違うのと同じです。強度は数字の差以上に変わりますね。
根太間隔(根太ピッチ)との組み合わせも重要です。根太間隔が303mm(約1尺、はがき1枚の幅の約2倍)の場合は12mmで十分ですが、600mm以上になる場合は12mm×2枚重ねが原則です。 9mmを選べるのは、二重床(置き床)の上に重ね貼りする場合など、下地がすでにしっかりしている特定条件に限られます。 question.realestate.yahoo.co(https://question.realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/14249352184/)
| 厚み | 適した根太ピッチ | 主な用途 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 9mm | 二重床上・重ね張り | 床暖房上の捨て貼り、重ね張りの下地補助 | 単独では強度不足になりやすい |
| 12mm | 303mm(1尺) | 一般的な新築・リフォームの標準仕様 | 最も汎用的・メーカー推奨値 |
| 12mm×2枚 | 600mm以上 | 根太レス工法・剛床補強 | 24mm合板1枚より強度が落ちる場合あり |
| 24mm以上 | 大引き直置き | 根太レス工法(剛床工法) | 重量増・コスト増だが高剛性 |
「厚みさえ守れば大丈夫」と思いがちですが、それだけでは床鳴りやたわみを完全には防げません。意外ですね。
床鳴りの原因のひとつは、捨て貼り合板同士の継ぎ目の処理不足です。 板と板の継ぎ目部分はどうしても荷重への耐性が弱くなりやすく、ここが根太の真上にこないように「千鳥貼り」(交互にずらして貼る方法)にするのが基本です。合板の継ぎ目を根太の上に持ってくるのが正しいやり方です。 akiya-and-kurashi(https://akiya-and-kurashi.com/tatamitowoodfloor-2/285/)
また、合板の含水率も厚み選びと同様に重要です。TOSTEMの施工基準では「含水率14%以下」が指定されており、湿気を含んだ合板を施工すると乾燥後に収縮して床鳴りが発生します。 梅雨時期の施工では特に注意が必要ですね。 www2.tostem.co(https://www2.tostem.co.jp/rp/dfw/exsas6/techlib_dl/default.aspx?P1=0020&P2=4D41462D353432442E706466&P3=111111111111)
ビスの打ち込みピッチも見落としやすいポイントです。 一般的には外周部150mm以内・中間部200mm以内が目安で、これを守らないと合板の浮きや床鳴りにつながります。3つ合わせて覚えておけばOKです。 daishin-house(https://daishin-house.net/wallpaper/sutehari/)
参考:捨て貼り工法の詳細な施工手順と注意点
フローリングの捨て貼りとは?職人直伝の施工方法とメリット・デメリット|CAS
リフォームで捨て貼り合板の厚みを変えると、材料費だけでなく工賃全体に影響します。 12mm合板と9mm合板では1枚(910mm×1820mm)あたりの価格差は約400〜800円程度ですが、6畳(約10㎡)を施工する場合は合板が約7〜8枚必要なので、材料費の差は約3,000〜6,000円にとどまります。 koma-reform(https://koma-reform.com/other/yukakonpane/)
これくらいならケチらないほうが賢明です。
一方、厚みが不足して数年後にやり直しが発生した場合のコストは大きく変わります。 フローリングをいったん剥がして捨て貼り合板をやり直す工事は、6畳でも解体費・材料費・施工費を合わせると10〜20万円規模になることがあります。最初に適切な厚みを選ぶことが、長期的なコスト削減につながるということですね。 koma-reform(https://koma-reform.com/other/yukakonpane/)
リフォーム専門業者への見積もり依頼時は、捨て貼り合板の厚みと品種(構造用合板の1類かどうか)を明示的に確認するのが得策です。 JAS規格に適合した構造用合板1類(耐水性あり)であることを確認することで、湿気による膨張・腐食のリスクを大幅に減らせます。 sumai-info(https://www.sumai-info.com/wp-content/uploads/2019/01/spec_wood_h20_8.pdf)
床暖房を設置する場合、捨て貼り合板の厚みの選び方がさらに複雑になります。 床暖房パネルの厚みは約12mm前後あるため、床暖房が設置されているエリアとそれ以外のエリアで床面の高さが変わってしまいます。この段差を解消するために「ダミー合板」と呼ばれる捨て貼りを行い、床面を水平に揃える必要があります。 yukakouji(https://yukakouji.net/i-throw-away-nursery-school-multi-purpose-ridge-new-construction-floor-heater-circumference-dummy-and-put-it-and-construct-flooring-common-joint-tension/)
床暖設置部とそれ以外でのフラット化がポイントです。
AD WORLDやWOODONEの施工指示書によると、床暖房の上に捨て貼りを行う場合は「9mm以上の合板」を使用し、床暖パネルの小根太の位置を合板に墨上げ(マーキング)してビス留めすることが指定されています。 これを怠ると床暖房パネルにビスが刺さり、パネルが破損するリスクがあります。 ad-world.co(https://www.ad-world.co.jp/brands/shops/pdf/construction.pdf)
防音性能との関係も見落とせません。 捨て貼り合板を使う捨て張り工法は、合板が音の振動を吸収・分散させるため、根太に直接フローリングを貼る根太工法と比べて防音性が向上します。マンションのリフォームではLL値(軽量床衝撃音)が管理規約で定められている場合も多く、捨て貼りの有無と厚みが規約適合に直結することがあります。これは使えそうです。 ksinterior(https://ksinterior.jp/2021/07/23/%E5%BC%B5%E6%9B%BF%E3%81%88%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E5%89%8D%E3%81%AB%EF%BC%81%E5%BA%8A%E3%81%AE%E5%9F%BA%E6%9C%AC%EF%BC%94%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%EF%BC%81/)
参考:根太工法と捨て張り工法の違い・防音性能の比較
捨張り工法と根太張り工法の違いは|材木屋
プロの施工業者と違い、DIYでリフォームを行う場合には「厚みの規格を守っていても失敗する」落とし穴が存在します。 それは「合板の向き(木目方向)と根太の方向の関係」です。 akiya-and-kurashi(https://akiya-and-kurashi.com/tatamitowoodfloor-2/285/)
合板は木目の方向に強く、垂直方向には弱い性質があります。正しくは「合板の長手方向(1820mm方向)を根太に対して直角に配置」するのが原則です。 これを逆にしてしまうと、12mm合板を使っていても根太間でたわみやすくなります。 sumai-info(https://www.sumai-info.com/wp-content/uploads/2019/01/spec_wood_h20_8.pdf)
さらにもうひとつの見落としが「不陸(ふりく)」、つまり下地の水平精度です。 施工基準では「1mにつき2mm以下」の不陸が求められており、これを超えると捨て貼り合板を固定しても局所的に浮いた状態になります。この状態でフローリングを上貼りすると、その部分が踏むたびに「ミシミシ」と鳴る床になります。厳しいところですね。 morian.co(https://morian.co.jp/howto-flr7-park/)
DIYでリフォームを検討している場合は、施工前にレーザー水平器(1万円台から購入可能)で下地の水平を確認し、高い箇所はカンナや電動サンダーで削り、低い箇所はレベラー(床用充填材)で補正することを強くおすすめします。この手順を踏むだけで、床鳴りトラブルの多くは未然に防ぐことができます。
参考:DIYでのフローリング捨て貼り施工の実践的な手順
【床の施工方法】捨て貼りとは?特徴やほか工法との違いを解説|LDK+
| 工法 | 構造 | 合板の厚さ | 主な特徴 |
| ------ | ---------- | ------ | --------------- |
| 根太工法 | 大引→根太→床板 | 約12mm | 通気性◎ コスト高め・工期長め |
| 根太レス工法 | 大引→厚合板→床板 | 24mm以上 | 耐震性◎ 通気性△ |
| 剛床工法 | 根太レス工法の発展版 | 28mm以上 | 剛性◎ コスト△ |