CVTケーブルをCVケーブルで代用すると、許容電流が約10%落ちて工事がやり直しになる場合があります。

CVTケーブルは、単芯のCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)を3本より合わせた構造のケーブルです。 「CVT」の「T」は「トリプレックス(Triplex)」の略で、3本より合わせであることを意味します。
それぞれの単芯ケーブルは、内側から「導体→架橋ポリエチレン絶縁体→ビニルシース」の順に構成されており、3本がよりあわされることで1本のケーブルとして機能します。 つまり構造が明快です。 https://www.sds-kaeruya.com/shop/e/ecvt/
CVTケーブルにはCVケーブルのような「介在物」が詰められていません。 介在物とはCVケーブルの断面を円形に整えるための充填材のことで、これが入っていないCVTケーブルは同じ外径でも軽量です。 軽量で扱いやすいのが基本です。
定格電圧は600Vから6.6kVまで対応しており、耐熱温度は90℃です。 サイズは14sq(スケア)から600sqまでの幅広いラインナップが用意されています。低圧から高圧まで対応が可能ということですね。
参考)https://www.wirecable-sales.com/items/index_by_type/4/tag_id:40
参考:CVTケーブルの構造や用途についての基礎情報はこちら(橋本光産株式会社)
CVケーブル・CVTケーブルとは|橋本光産株式会社
許容電流とは、ケーブルに安全に流せる電流の上限値のことです。この数値を超えて使い続けると、絶縁体が劣化したり発熱・発火のリスクが生じます。 電流値の確認は必須です。
参考)https://www.fujikura-dia.co.jp/tech/documents/allowable-current.php
600V CVTケーブルの許容電流(周囲温度40℃)の主なサイズは以下の通りです。
参考)https://www.cvt-cable.net/kyoyou.html
| サイズ | 許容電流(A) | 目安となる用途 |
|---|---|---|
| 8 SQ | 62A | 小規模分岐幹線 |
| 22 SQ | 110A | 一般住宅・マンション幹線 |
| 38 SQ | 155A | 中規模ビル・店舗幹線 |
| 60 SQ | 210A | 大型設備・工場幹線 |
| 100 SQ | 290A | 大規模商業施設など |
住宅のリフォームで電気容量を60Aから100A以上に増やす場合、幹線として22sqや38sqのCVTケーブルが選ばれることが多いです。 22sqのCVTは許容電流110A、外径は約24mmほどで、一般的なFEP管(波付き硬質合成樹脂管)50mmサイズに通すことができます。 サイズと管の組み合わせを事前に確認しておくと安心です。
参考)https://www.wirecable-sales.com/documents/cvt_fep
同じ22sqのケーブルでも、CVケーブルより CVTケーブルの方が許容電流が約10%大きくなります。 これは介在物がない分、放熱性が優れているためです。数字で見るとわずかな差に見えますが、幹線設計では大きく影響します。
参考)https://denkikannri.com/?p=493&rut=da3c8766b5058f2e38565f7772c6d9acd64077fa80428763490a390f597ee421
参考:CVTケーブルの詳細な許容電流表はこちら(CVTケーブル.net)
CVTケーブルの許容電流|CVTケーブル.net
CVTケーブルとCVケーブルはどちらも「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース」を使った電力ケーブルですが、構造が大きく異なります。 混同しやすいポイントですね。
参考)CVケーブルとは?CVTケーブルとの違いをメーカー社員が解説
| 比較項目 | CVTケーブル | CVケーブル |
|---|---|---|
| 構造 | 単芯CV×3本よりあわせ | 3芯一体型(介在物あり) |
| 重さ | 軽量 | やや重い |
| 曲げやすさ | ◎(柔軟) | △(硬め) |
| 放熱性 | 高い | やや低い |
| 許容電流 | CVより約10%大きい | 基準値 |
| 端末処理 | 容易 | やや手間がかかる |
| 最小サイズ | 14sq〜 | 2sqなど小さいサイズも対応 |
| コスト | 大差なし | 大差なし |
施工現場の視点では、CVTケーブルは柔軟で曲げやすいため、複雑なルートや狭い場所での配線に向いています。 一方CVケーブルは構造が安定しており、直線的な配線ルートには通線しやすいという特徴があります。
参考)CVケーブルとは?CVTケーブルとの違いをメーカー社員が解説
注意点として、CVTの標準サイズは14sq以上からの生産となっており、8sq以下が必要な場合はCVケーブルを選ぶことになります。 小さいサイズが必要な場面では選択肢が限られるということですね。リフォーム工事で幹線を引き直す際には、電気工事士に必要なサイズを事前に確認してもらいましょう。
参考)https://www.wirecable-sales.com/items/index_by_type/4/tag_id:40
たとえばオール電化リフォームや、IHクッキングヒーター・エコキュートの導入時は、電気の使用量が大幅に増えます。既存の幹線が細いサイズの場合、CVTケーブルへの引き替えが必要になります。 対応が遅れると分電盤のブレーカーが頻繁に落ちる原因になります。これは避けたいですね。
参考)https://inumikan.com/keiburu2/
住宅の幹線引き替えでは22sqや38sqが使われることが多く、材料費に加えて施工費・FEP管代なども発生します。 合計すると一般的なマンションの幹線引き替えで数万〜十数万円規模になるケースが多いです。見積もりを複数社から取って比較するのが条件です。
参考)https://www.wirecable-sales.com/documents/cvt_fep
参考:低圧幹線ケーブルの選定やコストについての詳細はこちら
CVTケーブルは耐久性が高いケーブルですが、設置から30〜40年が経過すると絶縁体(架橋ポリエチレン)の劣化が進むことがあります。 古い建物ほど注意が必要です。
参考)https://inumikan.com/keiburu2/
リフォームの際に見落とされやすいのが、外壁や天井内を通る幹線ケーブルの状態確認です。分電盤だけを新しくしても、壁内に通っているCVTケーブルが劣化していると、電気工事全体の安全性が下がります。 見えない部分こそ確認が重要ということですね。
参考)https://inumikan.com/keiburu2/
劣化の判断には「絶縁抵抗測定」という検査が有効です。電気工事士が専用の測定器(絶縁抵抗計)を使って、ケーブルの絶縁状態を数値で確認します。 この検査は一般的なリフォームの見積もり段階でも依頼できます。ケーブルの状態を事前に数字で把握しておけると安心です。
参考)https://inumikan.com/keiburu2/
また、リフォームで太陽光発電やEV充電設備を追加する場合、新たに大容量の専用回路が必要になります。このとき既存の幹線容量が不足していれば、CVTケーブルへの交換と分電盤の更新がセットで必要になります。 リフォームの計画段階で電気設備の全体見直しを依頼するのが、トータルコストを抑えるためのポイントです。
参考)https://inumikan.com/keiburu2/
参考:高圧ケーブルの劣化・選定に関する実務情報はこちら
高圧ケーブルの種類と選定ポイント|CVTケーブルが選ばれる理由
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