高さ1.2m以下の塀でも基礎の根入れが不十分だと違法になることがあります。

建築基準法施行令第62条の8では、補強コンクリートブロック造の塀について基礎の丈を35cm以上、根入れの深さを30cm以上とすることが定められています。高さ1.2m以下の塀については、この号の適用が除外されるため、根入れ20cm以上という組積造の規定が別途あります。
数字だけだと分かりにくいですが、根入れ30cmはA4用紙の長辺2枚分くらいの深さです。地中に隠れる部分なので、リフォーム後に見た目だけで判断するのは危険です。
つまり見えない基礎こそが塀の寿命を決めるということですね。
実際には法律上の最低ラインである根入れ30cm・丈35cmではなく、35cm以上・40cm以上を推奨する自治体も多くあります。余裕を持った施工にしておくと、将来の地盤の緩みにも対応しやすくなります。基礎の状態は専門の施工業者に図面で確認してもらうのがおすすめです。
参考)https://www.city.saga.lg.jp/main/47096.html
ブロック塀が倒れる主な原因の1位は基礎の不備だと指摘されています。基礎の厚さが129mm未満、高さが350mm(根入れ300mm)未満だと、建築基準法の規定を満たしていない可能性があります。
この基準は「守った方がいい」ではなく「守らなくてはならない」法的な義務です。
これは厳しいところですね。
古い住宅に多い無筋のブロック塀は、外見では基礎の状態が判断できません。国土交通省も既設塀の安全点検として、基礎の根入れ深さが法令に適合しているかを重要な点検項目として挙げています。リフォームで塀を触る前に、まず自治体の無料点検サービスやブロック塀等安全対策ガイドブックを確認しておくと安心です。
参考)https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/43024.pdf
高さ1.2mを超えるブロック塀では、長さ3.4m以下ごとに控壁を設置し、基礎部分で高さの1/5以上突出させる必要があります。控壁がないブロック塀基礎は、単体では横からの力に弱くなります。
参考)https://www.city.saijo.ehime.jp/uploaded/attachment/36022.pdf
控壁の突出長さは高さの1/5以上が基準です。
高さ1.6mの塀なら控壁は32cm以上突出させる計算になり、これはだいたいB5ノートの縦幅くらいのサイズ感です。控壁を省略できる高さの上限は1.2mまでなので、それ以上の塀を検討している場合は控壁分のスペースも敷地図に反映しておく必要があります。庭の設計時に控壁の位置を先に決めておくと、後から動線がふさがれるトラブルを避けられます。
参考)【ブロック塀の高さ制限】建築基準法の内容と「控え壁」が不要な…
ブロック塀基礎の新設や補修は、構造計算や配筋の知識が必要なため、DIYでの対応は基本的におすすめできません。壁内の鉄筋は縦横80cm以下の間隔で配置し、末端をかぎ状に折り曲げて基礎の横筋に定着させる決まりがあります。
配筋の間隔や定着方法を間違えると、見た目は普通の塀でも建築基準法違反になっているケースがあります。
これは意外ですね。
素人施工でよくあるミスは、鉄筋を入れずにブロックだけ積んでしまうことです。空洞部分にモルタルを充填していない塀は、耐震性が大きく落ちます。基礎からやり直すレベルの補修が必要な場合は、リフォーム会社に構造計算書付きの見積もりを依頼するのが確実です。
自分でできる点検として、塀の高さ・厚さ・控壁の有無・基礎の有無・老朽化の亀裂や傾きの5項目が挙げられています。ここまでは所有者自身でも確認できる範囲です。
セルフチェックだけで判断できない項目もあります。
鉄筋の接合方法やモルタルの充填状況、鉄筋のピッチ、基礎の根入れ深さについては専門家への相談が推奨されています。危険性が確認された場合は、通行人への注意表示や補修・撤去を速やかに行う必要があります。自治体によってはブロック塀の撤去やフェンスへの改修に補助金を出している場合があるので、リフォーム前に自治体の建築指導課に相談窓口の有無を確認しておくと費用面でも得することがあります。
既設ブロック塀の安全点検ポイントが分かる国交省の資料はこちら
セルフチェックの手順と専門家相談の基準が分かる佐賀市の解説はこちら
たとえば高さ2m、長さ10mなら20㎡です。1㎡あたり3万〜5万円なら60万〜100万円、1㎡あたり5万〜10万円なら100万〜200万円が見えてきます。数字があると判断しやすいですね。
参考)擁壁工事の費用相場は1平方メートルで約3〜5万円|見積もり例…
さらに、軟弱地盤や急傾斜では擁壁を「より高く・より厚く」つくる必要があるとされ、同じ20㎡でも金額が大きく変わります。高さ3m・幅10mのRC擁壁で約400万円という例もあり、面積だけでは読めない典型です。安く見えた土地ほど追加工事が重くなることもあるので、土地代と造成費を分けて考えるのが安全です。
参考)擁壁工事について解説!費用目安や単価相場・注意点もチェック …
補修で済むのか、やり直しなのかは大きな分岐です。擁壁にひび割れ、膨らみ、白華、水抜き穴の詰まり、表面からの染み出しがあるなら、放置で補修費が建て直し費用に化けることがあります。状態確認の狙いは、数十万円で止めるか、数百万円に膨らむ前に動くかを分ける点にあります。
高低差が2m以上ある土地では、自治体のがけ条例で擁壁設置や申請が必要になることが多く、許可まで1カ月前後かかるケースがあります。宅地造成工事規制区域では、切土で高さ2m超の崖、盛土で1m超の崖、または造成面積500㎡超などでも許可対象です。つまり先に役所確認です。
参考)https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001911844.pdf