「リフォームは義務化の対象外だから関係ない」と思っていたら、増改築した瞬間に着工できなくなった——そんな事態が全国で起きています。

省エネ基準適合義務化とは、建築物省エネ法の改正によって、2025年4月1日以降に着工するすべての住宅・非住宅建築物に対し、国が定める省エネ性能基準への適合が義務付けられた制度です。
参考)https://t23m-navi.jp/magazine/news/energy-saving_2025/
従来は延べ床面積300㎡以上の中・大規模非住宅建築物のみが義務化対象でしたが、改正後は戸建て住宅を含む小規模建築物まで全範囲に拡大されました。 背景には、日本の建築物分野がエネルギー消費全体の約3割を占めており、脱炭素社会の実現に向けて住宅・建築物の省エネ性能底上げが急務とされたことがあります。
参考)2025年省エネ基準適合義務化とは?内容と影響について詳しく…
これは重要な転換点です。以前は「努力義務」だったものが「法的義務」になった点が最大の変化で、基準を満たせなければ確認済証が交付されず、着工そのものが不可能になります。
参考)https://www.ceec.jp/column/shoenergykijun-2025/
参考リンク(制度の詳細・国土交通省公式)。
【国土交通省公式】省エネ基準引き上げへ。2025年4月〜省エネ基準適合が義務化
リフォームに興味がある方が最も気になるのが「自分のリフォームは対象なのか?」という点です。結論はシンプルです。
🔑 法律上の区分と義務化対象の整理
| 工事の種類 | 義務化対象 | 具体例 |
|---|---|---|
| 修繕・模様替え(リフォーム) | ❌ 対象外 | クロス張替、外壁塗装、設備交換 |
| 増築(10㎡超) | ✅ 対象 | 部屋の増設、離れの新築 |
| 改築(構造の変更を伴う) | ✅ 対象 | 木造から鉄骨への構造変更 |
| 10㎡以下の増築 | ❌ 対象外 | 極小の収納スペース増設など |
建築基準法に定める「増築・改築」に該当しない、いわゆる修繕・模様替えのリフォーム工事は対象外です。 つまり対象外ならば問題ありません。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/001768045.pdf
ただし、間取り変更を伴う大規模リノベーションや、部屋を増やす工事は「増改築」と判断される可能性が高いです。 省エネ基準適合義務化とは何かを正確に理解するには、この区分の把握が条件です。
参考)http://www.oikawa-housing.com/kijun2.php
参考リンク(リフォームと増改築の違い・わかりやすい解説)。
【簡単解説】2025年リノベーション・リフォームで知っておくべき省エネ基準
省エネ基準適合義務化とは具体的にどのような性能が求められるのでしょうか? 評価は主に2つの指標で行われます。
参考)https://t23m-navi.jp/magazine/news/energy-saving_2025/
① 断熱等性能等級(断熱等級):4以上
外壁・屋根・床・窓などの外皮性能を示す基準です。「UA値(外皮平均熱貫流率)」と「ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)」が規定値以下である必要があります。
② 一次エネルギー消費量等級:4以上
冷暖房・換気・給湯・照明などの設備が消費するエネルギーを総合的に評価します。高効率エアコンや省エネ給湯器の採用が有効です。
等級4が義務化の最低ラインです。 重要な点として、2025年4月以前は「断熱等性能等級4」が最高等級でしたが、義務化後はこれが最低等級になりました。 厳しいところですね。
参考)https://www.plazahomes.co.jp/news/energy-compliance-2025/
さらに、2030年にはZEH(ゼッチ)基準、つまり「断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6」まで引き上げられる予定です。 今後の増改築計画では、この将来基準も見据えた設計が得策です。
参考)https://archi.fukuicompu.co.jp/feature/zero/shoene.html
💡 等級のイメージ比較
| 断熱等級 | 基準の位置づけ | 光熱費の目安 |
|---|---|---|
| 等級3 | 1980年省エネ基準相当 | 高め |
| 等級4 | 1999年省エネ基準相当・現在の義務化最低ライン | 標準 |
| 等級5(ZEH相当) | 2030年目標の最低ライン | 低め |
| 等級6・7 | 最高レベル | 最も低い |
参考リンク(断熱等級・省エネ性能の詳細解説)。
【2025年4月義務化】省エネ基準適合義務化の最新情報と影響を解説
省エネ基準適合義務化とはどの範囲に適用されるのか——これは多くのリフォーム計画者が誤解しやすいポイントです。意外ですね。
旧制度(2025年3月以前) では、増改築を行う場合に「増改築部分+既存部分の建物全体」が省エネ基準適合の対象でした。 これが大きな負担で、築30〜40年の古い住宅に増築しようとすると、建物全体の断熱改修を求められるケースがありました。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/001768045.pdf
改正後(2025年4月以降) は、「増改築を行った部分のみ」が省エネ基準適合の対象に見直されました。 つまり増改築が基本です。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/001768045.pdf
この変更は非常に大きなメリットです。たとえば10坪の部屋を増築する場合、その増築部分だけを断熱等級4以上にすれば、築古の既存部分の断熱性能は問われなくなります。 既存の部分については省エネ基準を適用する必要はないということですね。
参考)https://www.fdc-inc.co.jp/plantable/energy_saving_mandatory/
ただし1点注意が必要です。2025年3月以前から増改築に着手していた案件で、旧制度の義務対象だったケースは、建物全体での適合が求められます。 これは着工時期の確認が条件です。
参考)https://www.fdc-inc.co.jp/plantable/energy_saving_mandatory/
参考リンク(増改築部分のみ適合・国土交通省通達資料)。
【国土交通省】建築物省エネ法に基づく省エネ基準適合義務制度等に係る通達(PDF)
省エネ基準適合義務化とは「義務」である一方、国はその対応を後押しする複数の補助金制度を用意しています。これは使えそうです。
🏦 主な補助金・支援制度
- 省エネ基準適合レベルの改修:最大 30万円/戸(補助対象費用の4割限度)
- ZEHレベルの改修:最大 70万円/戸(補助対象費用の8割限度)
参考)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/shienjigyo_r5-13.html
- 断熱材・窓・ガラス・玄関ドアなどの高性能建材を使った断熱リフォームに補助金
参考)住宅:住宅リフォームの支援制度 ※令和7年6月2日時点 - …
- 省エネ効果15%以上の改修が対象
- リフォーム工事内容に応じ、上限 30万円/戸 の補助
参考)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001595286.pdf
ここで独自視点から注目したいのが「2030年のZEH義務化を見越した今の行動」です。2025年4月に義務化された断熱等級4は、2030年には等級5(ZEH相当)まで引き上げられる予定です。 今、補助金を使いながら等級5以上に対応しておくと、2030年の義務化時に再度コストをかける必要がありません。
参考)https://l-housing.net/column/202412energy_saving/
増改築のタイミングで省エネ基準適合義務化とはただのコスト増ではなく、補助金を活用すれば実質負担を大幅に圧縮できる好機として捉えることができます。
さらに、省エネ性能が高い住宅は資産価値の維持にも直結します。将来的に売却する際、省エネ基準不適合の住宅は市場での評価が下がるリスクがあるため、対応しておくことは長期的な資産防衛にもなります。
参考)https://www.plazahomes.co.jp/news/energy-compliance-2025/
実際の補助金申請にあたっては、省エネ計算を行う建築士や工務店との連携が必須です。確認申請から確認済証の交付まで一定期間を要するため、着工の数ヶ月前には相談を始めることが重要です。
参考)https://www.fdc-inc.co.jp/plantable/energy_saving_mandatory/
参考リンク(最新の補助金一覧・国土交通省公式)。
【国土交通省】住宅リフォームの支援制度一覧(令和7年6月時点)
| ランク | 評価 | BEE値の条件 |
|---|---|---|
| S ★★★★★ | 素晴らしい | BEE3.0以上 かつ Q値50以上 |
| A ★★★★ | 大変よい | BEE1.5以上3.0未満 |
| B+ ★★★ | 良い(標準) | BEE1.0以上1.5未満 |
| B- ★★ | やや劣る | BEE0.5以上1.0未満 |
| C ★ | 劣る | BEE0.5未満 |