根太サイズが「45×45mmで統一されている」と思って材料を発注すると、2階の床で強度不足になる可能性があります。
根太の標準規格サイズは主に2種類です。 1階床には45mm×45mm、2階以上の床には45mm×60mmが多く使われます。 この違いは「成(なり)」と呼ばれる高さ寸法にあり、高さが大きいほど曲げ剛性が上がり、たわみに強くなります。
2階の床は人が歩くたびに振動が伝わりやすく、荷重条件も1階より厳しくなります。そのため、成を45mmから60mmに上げることで強度を確保するのが原則です。
実際の現場では45mm×55mmや45mm×65mmなど、業者ごとに微妙に異なるサイズを使うこともあります。 つまり、「規格は絶対にこれ」という法的な一本化はなく、施工会社の基準や使用するフローリングメーカーの推奨値が優先されます。これが基本です。
参考)http://www.house-support.net/toi/yukagumi.htm
リフォームで床を剥がす際は、既存の根太サイズを実測してメモしておきましょう。新しい根太材を交換するとき、サイズが変わると床高さが変わり、建具との干渉が起きるケースが実際に発生します。
| 根太サイズ | 主な使用箇所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 45×45mm | 1階・軽荷重部位 | コスト抑えめ、標準的な強度 |
| 45×60mm | 2階・洋室フローリング | たわみに強く、歩行振動を軽減 |
| 38×89mm(2×4材) | 2×4工法の床根太 | 北米規格、在来工法とは互換性なし |
根太を並べる間隔(ピッチ)にも業界標準があります。フローリング施工では303mmピッチが基本で、これは910mmモジュール(関東間)を3等分した数字です。 畳を敷く和室では455mmピッチ(910mmの2等分)が使われることが多いです。
参考)http://www.house-support.net/toi/yukagumi.htm
303mmという数字は「3尺(909mm)÷3」に由来します。つまり日本の伝統的な尺貫法がそのままモジュール設計に生きているわけです。意外ですね。
フローリングメーカーのWOOD ONE社の施工基準書では、根太間隔は303mmピッチを指定しており、45mm角以上の乾燥材(含水率14%程度)を使うよう明記されています。 この含水率の条件を守らないと、乾燥後に根太が痩せてフローリングに隙間や浮きが生じます。
参考)https://www.woodone.co.jp/static/business/wp-content/uploads/2020/01/528_FN-N1_%E6%96%BD7.pdf
ピッチが広いほど材料費は下がりますが、床のたわみ量は急激に増えます。455mmピッチで根太45×45mmを使った場合、303mmピッチと比べて中央部のたわみは理論上で約2倍以上になります。痛いですね。
根太断熱材(グラスウールや発泡系ボード)のサイズも303mmまたは455mmピッチに合わせて製品化されています。 市販の断熱材が「ぴったり入らない」という場合は、既存のピッチが変則的な可能性があります。現場調査で必ず実寸確認が条件です。
参考)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10246623940
現代の新築木造住宅では「根太レス工法(剛床工法)」が主流になっています。 根太を省略し、大引きの上に厚み24mm以上の構造用合板を直接張る工法です。根太工法より工期が短く、床剛性が高いメリットがあります。
参考)「根太レス工法」を考える−その1 » 名古屋…
これは使えそうです。ただし、リフォームの現場では根太工法と根太レス工法が混在しているケースが多く、見た目だけでは判別できません。
床下点検口から中を覗くか、床を剥がして確認するしか方法がありません。根太レス工法の家に根太工法用のフローリング(12mm薄物)を直接張ると、強度が設計値を下回り、踏み抜きや床鳴りのリスクが上がります。
根太レス工法に対応したフローリングは一般的に厚み15mm以上が推奨されます。LIXIL等のメーカーカタログにも「根太工法用」「直貼り用(根太レス用)」の区分が明記されているため、購入前に確認が1アクションで済みます。
参考:根太工法と剛床(根太レス)工法の構造的な違いを詳しく解説しているページ
根太工法と剛床工法の違い(床組み)- house-support.net
根太に使う素材も規格に大きく影響します。現場でよく使われるのはヒノキ、ヒバ、杉、米松(ベイマツ)の4種類です。 耐久性・耐水性の観点ではヒノキやヒバが優れており、床下の湿気が多い住宅や水回り付近のリフォームに向いています。
参考)施工の神様
コストを抑えたい場合は杉材が一般的です。ホームセンターのコメリでは45mm×60mm×3000mmの杉乾燥材(KD材)が1本あたり987円程度で流通しています。 1本で3mカバーできるので、6畳間(約9.9㎡)のフローリング下地には20〜25本程度が目安です。
参考)https://store.shopping.yahoo.co.jp/hcgooday/3103388.html
「KD材」とはキルンドライ(窯乾燥)材のことで、含水率を人工的に下げた製品です。これが条件です。生材(グリーン材)を使うと施工後に乾燥収縮が起き、根太が細くなってフローリングの釘が効かなくなる可能性があります。
米松はホームセンターより建材店での扱いが多く、強度が高いため2階の根太や長スパンに使われることがあります。ただし現在は輸入材価格の高騰で、45×60mm材の単価が杉の1.5〜2倍程度になるケースもあります。コスト比較をして選ぶのが現実的です。
参考:木材の規格サイズ一覧と用途の早見表
【完全版】木材規格サイズ表|2×4材・在来工法材・胴縁・貫など - hayamihyou.net
根太サイズの選定を間違えると、完成後に複数の不具合が発生します。最も多いのが床鳴りです。根太が細すぎてたわみが大きくなると、フローリングと根太の間で木材同士がこすれて音が出ます。修理には床材を再度剥がす必要があり、工賃だけで10〜20万円規模の出費になることも少なくありません。
次に多いのが「踏んだときのたわみ感」です。45×45mmの根太を455mmピッチで施工した床は、体重60kgの人間が歩いた際に中央部で約2mm以上たわむ計算になります。これは体感でわかるレベルの柔らかさで、高齢者や重い家具を置く部屋では特に問題になります。
つまり、規格内のサイズでもピッチとの組み合わせが悪いと不合格な床になります。
また、根太のサイズが変わると床の仕上がり高さが変わります。既存45×45mmを45×60mmに交換した場合、床面が15mm上がります。15mmというのはほぼ1.5cmで、ドアの下端との隙間がなくなりドアが開閉できなくなるトラブルが実際に起きます。建具の確認は必須です。
リフォームで根太工事を依頼する際は、「根太サイズ、ピッチ、素材、含水率」を書面で確認することが、後のトラブルを防ぐ最も確実な1アクションです。施工後では見えなくなる部分だけに、事前の仕様確認が大切です。
参考:リフォーム現場での床下地調査の注意点(根太工法と剛床の判別方法も掲載)
【リフォーム現調シリーズ】第9弾:床の現場調査 - gencho-kun.jp
| 木材 | ㎡単価(中間値) | 20㎡の概算材料費 |
|---|---|---|
| オーク材 | 約15,500円 | 約310,000円 |
| ウォールナット材 | 約20,500円 | 約410,000円 |
| パイン(参考) | 約7,000円 | 約140,000円 |
| 壁の種類 | 推奨アンカー種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 石膏ボード(9.5mm・12.5mm) | ねじ込み式プラスチックアンカー(カベタップなど) | ドライバー1本で施工可。耐荷重3.5〜20kg程度 |
| コンクリート・ブロック | カールプラグ(プラスチック拡張式) | 下穴を開けて差し込み、ビスで拡張させる |
| 軽量鉄骨・中空壁 | トグラー・モノマックス(はさみ固定式) | 壁裏で羽が開く構造。20〜60kg対応品もあり |
| アンカーの種類 | 特徴 | 引張強度の目安(12.5mm厚) | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| ねじ込み式(スクリュー型) | 下穴不要・ドライバーで直接ねじ込む | 約10kg detail-home | カーテンレール・軽い棚 |
| はさみ固定式(モリーアンカー等) | 壁裏で傘状に広がり強力固定 | 約56kg detail-home | エアコン・重い棚 |
| トグルアンカー(バタフライ式) | 穴から挿入後、羽が開いて引っかかる | 約24〜34kg marutoshi-interior-room | 中〜重量物 |