ラス網が錆びても、外壁さえ塗れば見えないから問題ないと思っていませんか?実は錆びたラス網は壁を内側から崩し、気づいた時には修繕費が100万円を超えることもあります。
ラス網とは、モルタル外壁の施工前に下地として設置する金属製の金網のことです。 モルタルは単体では下地との接着力に限界があり、経年で剥落するリスクが生まれます。ラス網を敷設することで、モルタルが金網の目に入り込んで絡みつき、物理的に壁全体へ固定される構造になります。
参考)https://aponline.jp/term/gaiheki/lath-net/
つまりラス網が「骨格」です。
リフォームで外壁塗装だけを行う場合でも、既存のラス網の状態が仕上がりの耐久性を大きく左右します。見えない部分だからこそ、ラス網の知識を持っておくことは大切です。モルタル外壁のリフォームを依頼する際は、業者にラス網の状態確認を必ず求めましょう。
ラス網の主な役割をまとめると以下のとおりです。
参考)https://www.lath.co.jp/news/465337.html
ラス網には大きく分けて4〜6種類があり、それぞれ用途と性能が異なります。 種類を間違えると、防火性能や耐震性能を満たせないまま施工が完了してしまう危険があります。これは見逃せません。
参考)https://sekokan-next.worldcorp-jp.com/column/useful/4029/
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 波形ラス | 断面が波状でモルタル厚を確保しやすい | 木造外壁の主流 |
| メタルラス(平ラス) | 薄い鋼板を引き伸ばした網目状 | 内装・一般住宅内外壁 |
| リブラス | 力骨付きで強度が高い | 外壁・鉄骨造向け |
| 通気ラス | 裏打ち紙つきで通気性確保 | 通気工法住宅の外壁 |
参考)https://www.assetfor.co.jp/post-7345/
特に注意が必要なのは平ラス(メタルラス)の使い方です。
JASS15(日本建築学会建築工事標準仕様書)の規定では、平ラス単独は木造住宅の外壁モルタル下地として不適切とされています。 凹凸加工のない平ラスはモルタルとの密着性が低く、剥落リスクが高いからです。平ラスが使えるのは、飾り柱・破風・サッシ廻りの割れ止めなど補強用途に限られます。
参考)https://www.kawaguchitetsumou.co.jp/lath/
リブラスの施工費用(材工込み)は3,500〜7,000円/㎡が目安です。 一方、一般的なラス張り工事は700〜2,500円/㎡と幅があります。 見積もりを取る際は、波形ラスかリブラスかによって費用が変わることを念頭に置いてください。
参考)https://sekokan-guide.com/las-katawaku-tanka/
正しい施工手順を知ることが、リフォームの品質チェックにもつながります。職人の腕が最も表れやすい工事とも言われているのがラス下地施工です。
参考)https://www.fumiplan.com/archives/1147
基本的な施工の流れは以下のとおりです。
1. 通気胴縁の設置:壁の通気層を確保するための下地材を取り付け
2. 補助防水シートの施工:土台周りを防水処理
3. アスファルトフェルト(防水紙)の貼り付け:ラス網の下に防水層を形成
4. ラス網の張り付け:原則として下から上・右から左の順に貼る
参考)https://www.assetfor.co.jp/post-7249/
5. タッカーで19mm針を10cm間隔で固定:窓などの開口部は200×100mmのピースを斜めに補強貼り
参考)https://inakalib.com/selfbuild/10-square-meters-house/12724
6. 継ぎ目の処理:左右のジョイントは必ず通気胴縁の上で行い、間隔は10mm程度
参考)https://www.assetfor.co.jp/post-7249/
7. モルタル塗り付け:下塗り8〜10mm→乾燥・養生→中塗り→上塗りの3工程
参考)https://www.shstt.net/lath-mortar-kawaguchi/
施工順序が大切です。
継ぎ目の位置や固定間隔がずれると、後のモルタル塗りでクラック(ひび割れ)が生じやすくなります。開口部周辺は特に応力が集中するため、斜め補強貼りが必須です。リフォーム時にラス網を交換する場合は、この手順が守られているかを写真で記録してもらうよう業者に依頼するとよいでしょう。
モルタル外壁のリフォームで最も多いトラブルが「クラック(ひび割れ)からの雨水侵入」です。これはラス網の選定や施工不良が原因のことが少なくありません。意外ですね。
ラス網にかかわる主な劣化・トラブルの原因を整理します。
参考)https://www.assetfor.co.jp/post-7345/
参考)https://www.youtube.com/watch?v=fvjzrjJMTuk
クラックが入ったまま放置すると、防水紙まで水が到達し、木材の腐朽→外壁全面交換という流れになります。外壁全面交換になると費用は軽く100万円を超えるケースもあります。痛いですね。
早期発見・早期対処が鉄則です。5年ごとの外壁点検時に、0.3mm以上のクラックがあればラス網の腐食も疑って専門家に診てもらうことを推奨します。クラックスケールという計測ツール(数百円〜1,000円程度)を使えば自分でも幅を確認できます。
ラス網はただの「モルタルを固定する網」ではありません。正しく施工すれば、建物の耐震性・防火性に直結する重要部材です。これは使えそうです。
耐震性能への影響:波形ラスを使用するとモルタル厚が十分に確保され、地震の揺れによるモルタル面の剥落を大きく抑制できます。 特に1995年の阪神・淡路大震災以降、波形ラスや通気ラスへの移行が進み、現在は木造住宅の外壁モルタル下地として波形ラスが主流です。
参考)https://www.lath.co.jp/news/484365.html
防火性能への影響:ラス網でモルタル厚を確保することで、国土交通省が定める「防火構造」や「耐火構造」の基準を満たす壁が実現します。つまりラス網の選定ミスは、防火性能基準を下回るリスクにつながります。
| 性能項目 | 平ラス(不適合) | 波形ラス・リブラス(推奨) |
|---|---|---|
| 耐震性 | モルタル薄→剥落しやすい | モルタル厚確保→剥落防止 |
| 防火性 | 壁厚不足のリスクあり | 防火構造基準を満たしやすい |
| 防錆性 | 錆びやすく劣化が早い | 亜鉛メッキ・凹凸で錆遅延 |
| 外壁使用 | 不適切(JASS15規定) | 推奨・主流 |
参考)https://sekokan-next.worldcorp-jp.com/column/useful/4029/
リフォームで既存外壁を剥がして確認した際、平ラスが使われていたケースでは、将来の耐震・防火性能向上のために波形ラスへの交換を検討することが賢明です。追加費用は1㎡あたり数百円〜数千円ですが、長期的な安心感に換算すると十分なコストパフォーマンスです。
参考情報:ラス網の種類・JIS規格・施工方法について詳しい技術資料を公開しているメーカーサイトです。
モルタル外壁の剥落・クラックとラス下地の関係性について、建築学会の技術的観点から解説したPDFです。
日本左官業組合連合会 – 外装仕上げの現状と動向(木造住宅編)
![]()
網戸 リクシル/トステム用規格サイズTS網戸 2枚建用 1枚/セット ブラックネット 06905 アルミサッシ あみど 虫除け 通風 窓 テラス 網戸 LIXIL TOSTEM 取替 交換 DIY